高齢運転者を対象とした後付け型ADASの多様な効果に関する研究
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57(3)装置を有用と思うか否かと利用意向の関係 本取り組みを行うことになったきっかけは「装置を利用すべき人がそれを有用と思わないジレンマの状況」であった。情報提供の工夫によって、装置を有用と思わない人が、果たして利用意向を持つようになったのかどうかを検証する。 5件法で得た装置を有用と思うかどうかの回答の集計結果は、に示した通りである。この回答から回答者を「とても有用と思う」「有用と思う」「その他(どちらでもない、有用と思わない、全く有用と思わない)」の3群に分類し、施策群と制御群別に利用意向を分析した。結果を図3-29に示す。 施策群では、とても有用、有用、その他(グラフでは上記以外)の順で、利用したいと思う割合が減少しているが、減少幅はさほど大きくなく、その他でも83%が利用意向を持っている。 一方制御群では、施策群と同様にとても有用、有用、その他の順で利用意向を持つ割合が減少するが、減少幅は大きく、その他では40%に留まる。 その他の制御群と施策群を対象に、利用意向の有無について独立性の検定を行った結果、p=0.1368となり統計的に有意な差は認められなかった。利用意向を持たない(その他の)回答者数が少ないためである。そこで参考までに、とても有用以外の回答者に対象を広げて独立性の検定を行った結果、p=0.0214となり5%水準で有意となる結果が得られた。 今回の分析では有用と思わない群に対する効果を明確に示すことには至らなかったが、有効性が期待できる結果が得られた。 11%40%60%5%12%17%89%60%40%95%88%83%0%20%40%60%80%100%とても有用と思う(18)有用と思う(10)上記以外(5)とても有用と思う(40)有用と思う(17)上記以外(6)制御群施策群利用したいと思わない利用したいと思う 図3-29 装置を有用と思うかと利用意向の関係

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