高齢運転者を対象とした後付け型ADASの多様な効果に関する研究
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17(2)MEによる警報回数の⾧期的変化 まず、警報回数を取得できるME(Mobileye)のデータを用いて、ME利用者(5名)の期間別の走行距離当たり警報回数の変化(厳密には警報OFF期間は警報が鳴っていないため、警報の閾値を超える回数というべきであるが、ここでは簡単のため警報回数と呼ぶ)を分析する。ここでは、⾧期的効果と短期的効果の傾向の違いを確認するため、2018年度に実施した1回目の実験の参加者(No.10, 20, 25)と、2019年度に実施した2回目の実験の参加者(No.12, 16)の結果を並べて比較する。その結果を図2-4に示す。 参加者により距離当たり警報回数やその変化傾向に違いがみられるが、警報なし時の期間0に比べて、期間1以降の警報回数が減少する傾向がすべての参加者で認められる。2回目の参加者においても⾧期的に効果が持続していることが確認できる。 No.12では、距離あたり警報回数は期間0の約1.0回/kmに対して、期間6では約0.3回/kmであり3分の1弱に減少している。No.16では、期間0の約0.6回/kmに対して期間6で約0.2回/kmであり、3分の1程度に減少している。 これらの結果から、MEの利用者では装置により、短期的にも⾧期的にも警報回数を減らすという運転行動の変化をもたらす効果が認められた。 0.00.20.40.60.81.01.21.41.6期間0期間1期間2期間3期間4期間5期間6警報あり距離当たり警報回数(回/km)1回目No.101回目No.201回目No.252回目No.122回目No.16警報なし 図2-4 ME利用者の距離あたり警報回数の変化

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