高齢運転者を対象とした後付け型ADASの多様な効果に関する研究
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142-4-2.分析方法 (1)分析方法の概要 後付けADASの設置による効果の分析は、既往研究では警報回数、車等間隔、走行位置など、後付けADASの車載器より取得できるデータを用いていることが多い。しかし本研究では、多様な車載器の評価を行うことも目的のひとつとしたため、図2-1で整理したようにデータが得られない車載器も使用した。それを補うため、燃費マネージャーを用いて走行データを取得した。 燃費マネージャーのデータを用いて後付けADASの効果分析を行うため、まずは警報回数と燃費マネージャーのデータの関係を分析する。本研究では期間を通して車載器からデータを得ることができるのはMEのみであり、MEからは警報回数のデータを収集することができる。そこで、MEの警報回数データと、ME搭載車の燃費マネージャーのデータ(速度や速度の変化)の関係を分析し、使用するデータを選択する。 次に、選択したデータを用いて後付けADASの警報が鳴る前(OFF)と鳴った後(ON)の変化を分析する。警報ON後も警報に対する慣れや理解の深化によって行動が変化する可能性があるため、警報ON後の時系列的な変化を分析する。 (2)使用するデータ 分析に使用するデータの概要を表2-11に示す。上述のように、警報回数はMEのみで得られるデータである。全車種で得られる平均速度、最高速度、急減速回数の中から、警報回数との関係を分析した上で、後付けADASの効果分析に用いる指標を定める。 表2-11 分析に使用するデータ 名称 単位 説明 警報回数 回 MEのみで得られるデータ。発生箇所情報とともに下の種類別に回数が得られる バーチャルバンパー、歩行者衝突警報、車両衝突警報、車線逸脱警報、車間距離警報 平均速度 km/h ある区間(リンク)を通過した回ごとの平均速度 最高速度 km/h ある区間(リンク)を通過した回ごとの最高速度 急減速回数 回 燃費マネージャーから得られる1秒毎の走行速度の変化から減速度を算出し、得られた減速度が急減速度と定める閾値を上回った回数 急減速度の閾値は既往研究を参考に0.2G、0.3G、0.4G(Gは重力加速度)を用いた

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