18 に開閉するのが困難となる場合もあることが指摘3940されている.ここで,本研究で扱う自動車運転においては,主に右足によって操作(アクセル/ブレーキ)が行われることから,片足によるデータの重要性も高いと考えられる.片足ずつの敏捷性を計測している例41もあることから,ここでは大サンプル(895名)でのデータが蓄積されている木村ら42の方法を採用しつつ,両足,片足(右足のみ)でのデータを取得した. 図 3.10 座位両足開閉ステッピングテストの実施方法43 3-2.結果 3-2-1.実験実施内容の妥当性 図3.11~3.14に実験実施内容の妥当性に関する意識調査の結果を示す.図3.11の自身の運転との近しさでは,非高齢運転者の9割以上,高齢運転者の6割以上が「実際の自身の運転と近い」もしくは「ある程度自身の運転と近い」と回答している.やや高齢運転者の割合が低いが,他方で,図3.12に示す視線挙動の再現性をみると,8割の高齢運転者が視線挙動の再現性をある程度以上はできていたと回答している.また,図3.13に示す映像の速度感については,概ね「適切だと感じた」と回答しており,「非常に速く感じた」など強い違和感を感じたのは,高齢運転者の約10%にとどまっている.図3.14は映像のブレーキタイミングの印象であるが,こちらも概ね「適切だと感 39 小池 武則,小林 薫:座位両足開閉ステッピングテストと座位交互開閉ステッピングテストとの関係,理学療法―臨床・研究・教育 第20巻,第1号,34-36,2013 40 三宅他:高齢者の体力測定,総合都市研究,43,1991 41 三宅他:高齢者の体力測定,総合都市研究,43,1991 42 木村 みさか, 平川 和文, 奥野 直, 小田 慶喜, 森本 武利, 木谷 輝夫, 藤田 大祐, 永田 久紀:体力診断バッテリーテストからみた高齢者の体力測定値の分布および年齢との関連,体力科学,38,5,175-185,1989 43 小林 薰,柊 幸伸,丸山 仁司:下肢反復開閉運動と既存の敏捷性指標との基準関連妥当性,国際医療福祉大学学会誌 18(2), 85-90, 2013
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