空間認知特性に着眼した高齢運転者が加害者となる出会い頭事故対策に関する応用的研究
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16 障害予防に関連した体力要素として我が国20をはじめ諸外国21でも採用されている.測定は,トーエイライト製の測定器を使用し,文部科学省の「新体力テスト」の実施要領に準じて実施した. Middle finger-Middle finger-Distance(MMD:中指-中指間距離) 上肢の柔軟性を評価する指標はほとんどないとされるが,本研究では,特に肩関節可動域との関連がみられるMMDを採用する.MMDは,古後ら22の提案する背中で両手指を上方からと下方から斜めに近付けた際の中指と中指の間の距離である.本研究では,中でも肩関節可動域と有意な関連が認められるとされる「左下位MMD」を採用した. 図 3.9 MMD23 平衡性 片足立ちは開眼で30秒以上起立できない場合,閉眼で30秒以内に3回以上床に足をつく場合異常とされる24など,長年の基礎データが蓄積されている.片足立ち保持能力の低下が,高齢者の転倒を引き起こす可能性が報告されており252627,高齢者の身体機能 20 文部科学省「新体力テスト実施要項(65~79歳対象)」,http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/stamina/03040901.htm (2019.9.3閲覧) 21 Wells K, Dillon E. The sit and reach, a test of back and leg flexibility. Res Q Exerc Sport. 23:115-118, 1952. 22 古後 他:一側優位性が身体柔軟性に及ぼす影響 中指-中指間距離を身体柔軟性の指標として,Japanese Journal of Health Promotion and Physical Therapy Vol.4,No.1:19-24,2014 23 古後 他:一側優位性が身体柔軟性に及ぼす影響 中指-中指間距離を身体柔軟性の指標として,Japanese Journal of Health Promotion and Physical Therapy Vol.4,No.1:19-24,2014 24 竹森節子:平衡機能検査,理学療法,7,173-181,1990 25 島田裕之,内山 靖,加倉井周一:21カ月間の縦断研究による虚弱高齢者の転倒頻度と身体機能変化との関係. 総合リハ,2002, 30:935-941.

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