空間認知特性に着眼した高齢運転者が加害者となる出会い頭事故対策に関する応用的研究
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10 に際しては,保安(安全確認)のため同乗者が後部座席に同乗するとともに,対象交差点に調査員がたち,当該交差点に接近する車両や歩行者等に関する情報のやりとりをリアルタイムに行いながら,安全性を確保した. 調査員は他交通(車,歩行者,自転車等)がいない状況を見計らって発進し,規制速度で対象交差点に接近し,優先方向側からの映像はそのまま通過,非優先方向側は一時停止手前で減速,一時停止で停車し,安全を確認したのち発進した. 図 3.4 VR映像撮影の様子 3-1-3.被験者の募集 被験者は日常的に運転をしており,高齢者は70歳以上,非高齢者は65歳未満とし,実験で用いるVRヘッドセット仕様から眼鏡を使用せず運転ができる方を対象とした.高齢被験者は実験室実験(大同大学工学部白水キャンパス)近隣の高齢者クラブ及び,名古屋市のシルバー人材派遣センターを通じて募集した.非高齢者は大同大学の学生,及び実験実施者らが所属する機関の職員ならびにその家族に声がけした.実験に際しては,倫理審査を行うとともに,被験者に対して事前に実験内容や参加者の意思で自由に中断,中止ができる旨を説明し,同意書への記名を依頼した. 結果,高齢者29名(73.4±3.9歳),非高齢者14名(34.3±12.7歳)の計43名が本実験に参加した. 3-1-4.注視挙動の把握 使用機器 VR空間視聴中の視線を計測するため,FOVE社製VRヘッドマウントディスプレイ(FOVE0)を使用した.本機器は,前額部部分にNeU社製の携帯型脳活動計測装置HOT-2000を取り付けられている.FOVE015は,図3.5に示すように,赤外線視線追跡機能が付与されたVRヘッドセットである(トラッキング精度<1度,フレームレート 15 FOVE 0, https://www.getfove.com/

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