34 4-3.農地転用推定値の可視化 4-2-4で求めた、負の二項回帰分析結果を基に、農地転用推定値を可視化した。その推定値の傾向から豊田市の傾向、推定値が高い地域の特徴、実際には農地転用が多いものの、農地転用推定値が低い地域の詳細を把握する。 4-3-1.農地転用推定値の可視化 農地転用推定値を図 4-7に示す。市街化区域縁辺部では農地転用推定値が高く、郊外になるにつれて農地転用推定値が低くなる傾向にあることが分かる。負の二項回帰分析結果の「市街化区域までの距離」とは異なる結果となっているが、推定値の高い地域の周辺には説明変数としている施設が立地していることが要因であるためだと考えられる。また、北部と南西部において、農地転用推定値が高い地域が密集している地域(①~④)があり、この地域の特徴について把握する。なお、実際には農地転用が多いものの、農地転用推定値が低くなった地域(⑤)についても、その詳細を把握する。 全体の傾向をみると、豊田市の農地転用の特徴として、市街化区域縁辺部から徐々に都市が広域化するのではなく、市街化調整区域内にある駅や拠点周辺から広がっていくことが推測される。これは、豊田市行政計画においても郊外拠点周辺において活性化させることを設定しているため、行政計画とも大きな齟齬はない結果となったと思われる。今後、郊外開発を進めるにあたり、どの範囲まで開発を許容するのか、都市の情勢を照らし合わせながら流動的に考える必要がある。
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