農地転用動向によるスプロール地域の分析と評価に関する研究
38/48

33 4-2-4.農地転用要因分析の分析結果 農地転用件数を目的変数、4-2-3で抽出した変数を説明変数として、負の二項回帰分析を行った。負の二項回帰分析結果を表 4-2に示す。なお、負の二項回帰分析を行った際、ステップワイズ法(変数減少法)を用いて、説明変数の選択を行っている。 自由度12のχ2値が480.7であるため、0.5%水準で有意差があると判断19でき、標準誤差は0.0130、θは0.2475であった。 農用地区域面積割合が高いほど、農地転用が起きにくい結果となっており、制度と合った結果となっている。 また、駅・バス停・幼稚園・大学・診療所・老人福祉施設・支所までの距離が近いほど、農地転用が起きている結果となっている一方、市役所・市街化区域までの距離が近いほど、農地転用が起きにくい結果となっている。このことから、豊田市では、市街化区域縁辺部の滲みだしによる都市の広域化よりも、利便性の高い地域での都市開発がされやすい都市構造であることが考えられる。 表 4-2 負の二項回帰分析結果 説明変数 推定値 標準誤差Z値 P値 P値判定定数項 1.490.207.390.000 *** 農業振興地域割合(-) 0.450.16-4.610.002 *** 農用地区域割合(-) -0.740.143.150.002 ** 駅までの距離(km) -0.160.03-5.330.000 *** バス停までの距離(km) -0.180.12-1.620.104 幼稚園までの距離(km) -0.310.09-3.560.000 *** 中学校までの距離(km) 0.160.082.080.038 * 大学までの距離(km) -0.060.02-2.860.004 ** 診療所までの距離(km) -0.660.09-7.300.000 *** 老人福祉施設までの距離(km)-0.150.06-2.620.009 ** 市役所までの距離(km) 0.070.032.490.013 * 支所までの距離(km) -0.090.06-1.460.146 市街化区域までの距離(km) 0.180.062.910.004 ** AIC:6569 χ2(12):480.7 標準誤差:0.0130 θ:0.2475 AIC:赤池情報量規準、「統計モデルの良さ」を評価するための指標 ***:0.1%有意、 **:0.5%有意、 *:1%有意 19 自由度12の0. 5%水準は28.3であり、その値よりも大きいため、0. 5%水準で有意差があると判断できる。

元のページ  ../index.html#38

このブックを見る