57分析では、伝統的交通需要推計手法である四段階推計法において、分布交通量の推計に用いられる重力モデルを適用する。重力モデルとは、物理学における万有引力の法則を応用したもので、OD交通量は発生・集中交通量に比例し、ゾーン間距離に反比例するとしたものである。 具体的には、パロッシーから得られる地点別方向別歩行者通行量をゾーンの発生量と集中量、地点間の距離をゾーン間距離、WPSから得られる地点間移動量を分布交通量のパターンとして、重力モデルの関係式に当てはめてパラメータを推計する。 ○重力モデルの関係式 =+ ここで、 tij:ゾーンij間のOD交通量(WPSのOD量、1時間値) Gi:ゾーンiの発生量(パロッシーの方向別通行量、1時間値) Aj:ゾーンjの集中量(パロッシーの方向別通行量、1時間値) Rij:ゾーンij間の距離※ k、α、β、γ:パラメータ ※ゾーン間距離は、都心の街区構成を考慮して三角関数を用いてセンサー間直線距離から疑似的な街区距離を計算して用いる 平常時とイベント時、平日と休日で歩行者通行量等の傾向が異なることを考慮し、分析にあたっては平常時の平日、平常時の休日(土日)、大規模イベント時、の3区分で行うこととした。
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