53.Wi-Fiパケットセンサーによる歩行者流動調査システムの開発と実装 3-1.システムの構築 (1)山梨大学との共同研究 前章でも整理した通り、WPSを用いた歩行者流動調査は複数の事例があり、実施する団体も複数存在する。それらの団体にWPSを用いた調査を外注する際の費用は小さくない。 一方、WPSを用いた調査システムは、小規模なものであれば、センサー等の必要な部品と通信モジュール、サーバを準備すれば構築することができる。本研究の企画立案時は、自前でWPSを活用した調査システムを構築することを予定していた。 調査システム構築に向けた情報収集を進める中で、本研究と同じく中心市街地においてWPSを活用した歩行者流動の調査をしている、山梨大学の豊木先生の取り組みを発見した。山梨大学が取り組む事例は、本研究と狙いが同じであること、商業用ではなく研究用のシステムであることなどから、本研究への協力を打診したところ快諾いただいた。 以上の経緯で、山梨大学と共同研究の形で本研究を進めることとし、山梨大学のシステムを利用して豊田で調査を行うこととなった。 (2)使用するシステムの概要 調査に使用するWi-Fiパケットセンサーの調査システムは、大きく分けて、端末からのプローブ要求を受信する「センサー」、センサーが受信したデータを送信するための「ネットワーク」(下の図における携帯電話回線)、データを蓄積する「サーバ」、の3つで構成される。このうち、センサーの作成には、ハードウェアとソフトウェアが必要となる。 TTRIは、調査システムのうち、「センサー」のハードウェアと「ネットワーク」を調達した。調査に活用した山梨大学のシステムは、「センサー」のソフトウェアと、「サーバ」である。 WPSの調査におけるデータの流れは図3-1に示すとおりである。 サーバ携帯電話回線センサースマホ等 図3-1 データの流れのイメージ
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