38 5-2.将来都市構造可視化シミュレーションツールの特徴 本ツールの操作方法として、はじめに、目標年を選択する。次に、第4章で設定したルールについて、その目標値やエリア、各ルールの組み合わせ等を設定する。最後に、設定したルールに基づいて、将来都市構造を可視化する。 本ツールを基に将来都市構造を検討することによって、例えば、「豊田市駅周辺の人口集約は行わず、郊外駅周辺にのみ人口集約した場合はどのような都市構造になるのか」、「実際に人口集約した際には、自分の居住している地域の人口密度はどのようになるのか」等といった疑問をすぐに可視化できる。 従って、専門的な知識を有さない市民や企業と共に将来像を検討することができる。また、100mメッシュで可視化することによって、お互いに齟齬の少ない、共通した将来都市構造のイメージを共有できることが大きな特徴であり、本ツールの最大の利点である。 5-3. 将来都市構造可視化シミュレーションツールの使われ方 将来都市構造可視化シミュレーションツールは、例えば、行政が市民へ、目標とする将来都市構造を説明する際や、本ツールを話し合いながら操作することで、都市構造の課題を発見すること等で利用できると考えている。 特に、行政が目標とする将来都市構造を設定する際、ある1つの目標像を行政側で構築し、市民説明の際の質疑応答やパブリックコメントに基づいて、必要があれば目標とする将来像を修正する、といった流れが一般的である。しかしながら、修正した目標将来像にも意見があるかもしれないし、使用されなかったパブリックコメントが重要項目であるかもしれない。 本ツールを用いて、市民と協議しながら将来都市構造を検討する場を設けることで、市民からは不安感を取り除蹴れるのではないかと考える。
元のページ ../index.html#43