30 図 3-9 調査地点 3-2-2.結果 表3-6に調査地点における車道通行率の結果を示す。自転車交通量をみると、地点9が最も多く、次いで地点6、地点4、地点2と続く。他方、地点3、地点5、地点8は交通量が少ない。全体の平均車道通行率は19%であり、学生(10%)に比べ一般(25%)の値が高い。地点別にみると、地点10(方向②)が最も高く、学生では83%となっている。当該地点は縦断勾配が大きく、方向②は特に下り勾配の方向である。下り勾配における車道走行率の高さは昨年度実施した先行研究でも確認されている。一般に、下り勾配は走行速度が速くなり、歩道走行をすると車道境界の縁石通過時に利用者に衝撃を与え、不快感を与えることが影響しているものと予想される。その他、地点3の方向①、地点4の方向②も比較的車道走行率が高くなっている。 ここで、社会心理学的アプローチを行うにあたって、以下のような観点に着目する。まず、自転車交通量が適度に多いことである。当該アプローチの効果を効率的に計測するにあたっては、1度の調査で適度な解析対象データが取得できることが望ましい。この点を踏まえると、地点3、5、8のような他の地点と比べて交通量が著しく少ない地点は、社会心理学アプローチの実施対象区間として望ましいとはいえないと判断する。他方、特に同調のようなアプローチの検討をするに際しては、車道走行の優位(歩道に比べて車道を走行している車両が多い)状態を意図的に作り出すことになるが、地点9のように交通量の極めて多い地点においては、その優位状態を作り出すことが困難であることが予想される。 次に、車道通行率が低いことである。当該アプローチの効果を判断する上では、既に高い
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