31 5. おわりに 本研究では、長期間にわたるおいでんバスのプローブデータを用いて、バス運行路線に含まれる道路区間別の旅行時間や速度の平均値やそれらの変動を把握することで、豊田市の一部道路区間の渋滞状況を分析した。本研究の実施を通じて得られた成果を下記のように整理する。 研究文献のレビューを通じて、バスロケデータの利活用について、国内だけでなく、海外の研究動向を整理した。そして、旅行時間分析に用いた混合正規分布モデルを構築した。 おいでんバスロケデータをさらに活用するため、バスルートや停留所の位置情報を研究所が保有しているデジタル道路地図に電子化した。 おいでんバスロケの生データが解析できるPython言語の分析ツールを開発したため、バスロケシステムの管理会社が運用しているサーバーに蓄積したバス車両の位置情報データを迅速に解析することは可能となった。 豊田市内での道路渋滞箇所である久澄橋、豊田大橋、山室橋を対象としたバス停留所間の旅行時間を把握するための分析手法を提案した。 本研究の課題として、バス乗降者数のデータを用いた分析にまだ及ばないことや、代表的な停留所にバス車両の到着時刻定時性への分析はまだあらいことがあるため、今後は更なる詳細な研究分析が望まれる。
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