バスプローブデータを用いた豊田市の道路渋滞分析に関する研究
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29 (a) トヨタ稼働日(ICカード決済導入前) (b) トヨタ非稼働日(ICカード決済導入前) (c) トヨタ稼働日(ICカード決済導入後) (d) トヨタ非稼働日(ICカード決済導入後) 図 4-13 サンプルデータの分布図や推定結果(ICカード決済導入前後) これらの分析結果をみてみると、次のことが分かる。 平日のトヨタ稼働日では、ICカード決済導入前と比較して、導入後では混雑時及び非混雑時それぞれにおける旅行時間の平均値には大きな差異が見られないが、それぞれの標準分散は減少したことが確認できた。一方で、混合正規分布の混合係数は高くなるため、旅行時間は長くなる傾向が読み取れる。その原因は2018年4月1日からトヨタ自動車社員の通勤行動の変化によるものであると考える。 平日のトヨタ非稼働日では、ICカード決済導入前と比較して、導入後では混雑時及び非混雑時それぞれにおける旅行時間の平均値は顕著に減少し、特に混雑時における旅行時間の平均値は490.69秒から330.87秒まで減少したことが分かる。また、非混雑時においても、旅行時間の平均値は201.26秒から172.99秒まで減少したことが分かる。さらに、旅行時間分布に適用した混合正規分布の推定結果から、混雑時は非混雑時と比較して、旅行時間分布の違いは著しくなくなることも分かる。 このように、ICカード乗車券の決済システムの導入前後において、トヨタ稼働日では、対象渋滞箇所の旅行時間の短縮効果は見られていないが、トヨタ非稼働日では、旅行時間の短縮効果は若干見られていることが分かる。 0.000.040.080.120.160.200.240.280501001502002503003504004505005506006507007508008509009501000Probability DensityTravel time (Unit: second)ヒストグラム正規分布混合正規分布0.000.040.080.120.160.200.240501001502002503003504004505005506006507007508008509009501000Probability DensityTravel time (Unit: second)ヒストグラム正規分布混合正規分布0.000.040.080.120.160.200.240.280501001502002503003504004505005506006507007508008509009501000Probability DensityTravel time (Unit: second)ヒストグラム正規分布混合正規分布0.000.040.080.120.160.200.240501001502002503003504004505005506006507007508008509009501000Probability DensityTravel time (Unit: second)ヒストグラム正規分布混合正規分布

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