28 4-3 ICカード導入前後における渋滞箇所での旅行時間の変化 平成28年4月1日から、バス利用促進に向けた方策として、豊田市のおいでんバス車両では、ICカード決済システムの導入が実施されていた。これによって、おいでんバスの利便性が向上されて、利用者数の増加につながると考える。また、2018年度のおいでんバスの利用者実績は下記の通りである14)。この結果から、2017年度と比較して、2018年度の利用者数は6.5%と増加したことが分かる。 〇おいでんバス12路線の総利用者数2,344,613名 (前年度比142,471名(+6.5%)の増加) 公表を開始した平成20年度の実績(1,202,347名)と比較して、約1.9倍、9年連続での増加 〇1日当たりの平均利用者数6,423名 本節では、おいでんバスプローブデータを用いて、ICカード決済システムの導入前後における道路渋滞箇所の旅行時間の変化を分析することで、道路渋滞の改善効果の有無を把握することを試みる。前節で取り上げた道路渋滞箇所のうち、久澄橋は豊田大橋、山室橋と比較して、対象区間の旅行時間の分布では、混雑時及び非混雑時それぞれの旅行時間の分布は確実に表されているため、久澄橋を含めた道路区間を分析対象としている。なお、道路渋滞は非通勤時間帯において、発生する可能性が低いため、本節では通勤時間帯におけるバス運行車両から収集されたプローブデータを用いた。ICカード決済システムが導入された前における対象渋滞箇所の旅行時間を把握するため、2016年1月から3月までのバスプローブデータを用いた。ICカード決済導入前後の分析結果を表 4-5に整理する。また、サンプルデータのヒストグラムやモデル推定結果の分布図を図 4-13に示す。 表 4-5 久澄橋を含めた道路区間の分析結果(平日・通勤時間帯(7時~9時)) ICカード決済導入前 ICカード決済導入後 トヨタ稼働日 トヨタ非稼働日 トヨタ稼働日 トヨタ非稼働日 最小値 99.00 89.00 98.00 107.00 最大値 1153.00 575.00 1140.00 548.00 平均値 263.22 239.90 320.70 233.92 標準分散 135.88 112.94 140.52 102.96 歪度 1.96 1.58 0.74 1.10 尖度 7.15 2.60 1.02 0.68 変動係数 0.52 0.47 0.44 0.44 サンプル数 263 30 787 60 平均値1 391.19 490.69 394.27 330.87 標準偏差1 154.57 60.97 123.52 96.58 平均値2 198.59 201.26 195.16 172.99 標準偏差2 56.29 49.74 48.38 38.64 混合係数 0.34 0.13 0.63 0.39 14) 豊田市役所のHP,https://www.city.toyota.aichi.jp/pressrelease/201706/1019547.html
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