2019年度 自主研究概要 報告者:楊甲 研究分野 1.暮らしを支える交通、2.都市空間を創出する交通、3.交通の安全・安心 業務類型 1.調査、2.解析、3.政策検討、4.その他 研究題目または 報告書タイトル バスプローブデータを用いた豊田市の道路渋滞分析に関する研究 研究の背景・内容 豊田市では「移動円滑化」の実現に向けて、道路整備等のハード対策や、交通需要マネジメントのようなソフト対策を進めている中、対策効果に対する簡易的な指標を用いた評価手法が求められている。研究所の先行研究は、バスプローブデータを用いた道路渋滞の簡便的な評価指標を構築し、トヨタ自動車の稼働有無や天候による影響を明らかにしたが、当該評価指標を用いて円滑化施策効果の評価までに至らない問題点がある。また、豊田市ではおいでんバスのプローブデータが蓄積されており、道路渋滞状況やバス路線運行の信頼性などの分析にも活用できることが期待されている。 本研究では、長期間にわたるおいでんバスのプローブデータ等を用いて、バス運行ルートに含まれる道路区間別の旅行時間や速度の平均値やそれらの変動を把握することで、豊田市の道路渋滞分析を行うことを目的とする。なお、本研究の結果を踏まえ、豊田市で実施した道路円滑化の対策を評価するための簡易的な指標を提案する。 研究結果・ 得られた知見等 • 研究文献のレビューを通じて、バスロケデータの利活用について、国内だけでなく、海外の研究動向を整理した。 • おいでんバスロケデータをさらに活用するため、バスルートや停留所の位置情報を研究所が保有しているデジタル道路地図に電子化した。 • おいでんバスロケの生データが解析できるPython言語の分析ツールを開発したため、バスロケシステムの管理会社が運用しているサーバーに蓄積したバス車両の位置情報データを迅速に解析することは可能となった。 • 豊田市内での道路渋滞箇所である豊田大橋、久澄橋、山室橋を対象としたバス停留所間の旅行時間を分析するための手法を提案した。 研究成果 社会への貢献、 報告、技術的特徴等 *予定含む <社会への貢献> 構築した豊田市内で道路渋滞を把握するための分析手法は、現在で用いられた日本道路交通情報センター(JARTIC)の渋滞情報と比較して、入手コストは安く、主な道路区間のカバー率も低くないため、実務上で使用できれば、道路渋滞対策を評価するための関連費用が節約できる。 <技術的特徴> 本研究で用いた混合正規分布は通常の正規分布と比較して、道路区間の混雑状態や非混雑状態それぞれにおける旅行時間の分布が表現できるため、実務上で道路区間の旅行時間分析に適切な解析手法を構築した。 所内の担当者氏名・ 担当者 責任者・主担当者:楊甲 担当者:山崎基浩 協力先名 豊田市役所都市整備部交通政策課(おいでんバス時刻表の提供者) 中国西南交通大学交通運輸と物流学院 曹鵬准教授(共同研究者) 問題点・課題今後の研究予定・その他 本研究ではバス乗降者数のデータを用いた分析にまだ及ばないことや、代表的な停留所にバスの到着時刻信頼性への分析はまだあらいことがあるため、今後の課題として引き続き取組んでいく予定がある。 関連論文(2019年度) (当年報掲載ページ) Estimating Travel Time of a Road Bottleneck Using Bus Probe Data: Case Study of Toyota City, Japan・・・P.〇〇〇
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