バスプローブデータを用いた豊田市の道路渋滞分析に関する研究
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19 4. バスプローブデータを用いた分析事例 本章では、バスプローブデータを用いた分析事例として、豊田市内の道路渋滞箇所を対象とした旅行時間の分布に対する分析や代表的なバス停留所を対象としたバス車両到着の定時性、そして、おいでんバス車両にICカードの導入前後における道路渋滞箇所での旅行時間の変化を分析した結果を説明する。 4-1 豊田市内の道路渋滞箇所を対象とした旅行時間への分析 4-1-1 分析対象となる道路渋滞箇所 豊田市は矢作川によって分断されており、川の上では、8つの橋がかけられている(図 4-1参照)。北側から南側の順で見てみると、平戸橋、平成記念橋、高橋、豊田大橋、久澄橋、竜宮橋、鵜の首橋、山室橋となる。このような地域の特徴によって、東側・西側の間に移動する自動車は必ず橋を通らなければいけないため、これらの箇所は道路ボトルネックであると考える。特に、朝の通勤時間帯では、自動車交通量が顕著に多くなるため、これらの道路箇所では、激しい道路渋滞が頻繁に起こっていることが報告されている。また、通勤交通量のうち、トヨタ自動車社員の通勤行動は道路渋滞の要因となることも報告されている。当研究所の先行研究では、トヨタ自動車の稼働有無によって、対象道路区間の旅行時間は異なることを明らかにした。通常、トヨタ自動車はトヨタカレンダーで稼働しているため、日本国祝日の中でも、各工場生産ラインが止まらないことがある。また、トヨタカレンダーはトヨタ自動車およびその子会社、関連会社、下請け会社などの取引先で使用されるものである。 図 4-1 豊田市内に位置する橋やトヨタ自動車工場の分布図(〇は橋、□は工場) 平成記念橋高橋豊田大橋久澄橋竜宮橋鵜の首橋山室橋トヨタ自動車元町工場トヨタ自動車本社トヨタ自動車堤工場トヨタ自動車貞宝工場平戸橋©Google

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