バスプローブデータを用いた豊田市の道路渋滞分析に関する研究
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8 2-2 バスプローブデータの利活用 バスロケーションシステムの導入によって、バス車両の運行状況を記録したバスプローブデータを蓄積することは可能となる。ただし、システムで蓄積したバスプローブデータは位置情報のみを含めるため、エンジン回転数、週間加減速、ブレーキ状態などのような情報データを蓄積していないことに留意する必要がある。このため、このようなバスプローブデータを活用することで、旅行時間信頼性や時間信頼性等に関する客観的な評価は可能となる。ここで、旅行時間信頼性とは、道路の信頼性評価の一つとして、旅行時間の平均値・分散およびパーセンタイル値といった指標値により評価されているものである。これに対して、時間信頼性評価は路線バスを対象にダイヤからの遅延時間の分布形に着目し、バス路線が提供しているサービスレベルを評価しているものである。 ここで、到着遅延時間分布と旅行時間分布の違いを図 2-6のように示す。この結果から、遅延時間分布は停留所間の旅行時間変動分布と比較した分布形が異なることが分かる8)。なお、旅行時間信頼性の分析手法は道路渋滞対策の実施効果にてよく使われている。具体的に、道路渋滞対策の実施前後における自動車の旅行時間信頼性を把握し、旅行時間信頼性が向上されることが道路渋滞対策の効果があることを示す。 図 2-6 停留所遅延時間と停留所間旅行時間の関係 8) 小山ら,路線バスの到着時刻分布形状に着目した時間信頼性評価,第52回土木計画学研究発表会・講演集,2015年3月.

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