4 2. 研究動向の整理及び本研究の位置づけ 本章は、バスロケーションシステムの紹介、システムによるバス位置情報データの活用方法、そして本研究の位置づけなどを述べる。 2-1 バスロケーションシステム バスロケーションシステムは、バスの位置情報を携帯電話網・無線などを通じてサーバーに送信し、バス位置や遅れ状況を把握するシステムである。バス営業所において運行管理に役立つほか、WEBサイトやデジタルサイネージ等を通じて利用者に運行情報が提供される。また、蓄積した運行データを分析することで、ダイヤ編成に役立てられる2)。 通常、バスロケーションシステムはApplication Service Provider(以下、ASPと称する)方式を利用し、運行管理者、道路管理者、そして利用者を対象に、バス運行状態や遅延情報を提供している。その仕組みを図 2-1のように示す3)。 図 2-1 ASPバスロケーションシステム構成 豊田市では、基幹バスや地域バスの時刻表、運賃、そして、おいでんバスのリアルタイムの運行情報をみちナビとよたといったホームページにて掲載している4)。なお、みちナビとよたは豊田市役所都市整備部交通政策課が運営しており、その中でも、バス路線検索は可能である。 現段階では、みちナビとよたが提供しているバス位置情報提供サービスの例を図 2-2に示す。そのうち、運行時間帯におけるおいでんバス各路線の運行や遅延情報が示されている。 2) 公共交通利用促進ネットワークのHP,https://www.rosenzu.com/net/mieru/busloclist.html 3) 江藤ら,ASPを利用した自治体向けバスロケーションシステム,沖テクニカルレビュー,第200号 Vol.71 No.4、2004年10月。 4) みちナビとよたのHP,https://michinavitoyota.jp/portal/index.html
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