電気自動車シェアリングの利用意識に影響を及ぼす要因分析
39/40

33 4. おわりに 本研究では、日本国におけるカーシェアリング事業を推進するための知見を得るため、国内や海外のカーシェアリングの最新動向を整理するとともに、地方部の観光地における車の移動手段を確保するための方策を探るため、超小型EV、乗用車型EV、ガソリン乗用車といった車両に対する利用意向を分析した。本研究による知見を下記のように整理する。 乗用車型EVシェアリングについて、世界各国の事例がみられて、そのうち、規模が最も大きいのは、中国のEVCARDである。これに対して、日本では事業規模が非常に少なく、また、観光地におけるEVシェアリングの事例が展開されている。 地方部の観光地までに、最もよく利用している交通手段について、カーシェアリングの会員では、自家用車(34.0%)が最も多く、次いで、レンタカー(28.3%)が多くなる。 地方部の観光地で、利用料金(時間料金、6時間コース、12時間コース)、返却方法(one way型、round trip型)の組み合わせによって、超小型EV、乗用車型EV、ガソリン乗用車に対する利用意向が異なる傾向がある。但し、12時間コースを利用する際、返却方法によるカーシェアリング会員の利用意向には違いがみられていない。 本研究の問題点として、EVシェアリング利用意識について、一般市民を対象としたアンケート調査を予定したが、所内会議で調査目的・内容等に関する多数の指摘があり、担当者はアンケート調査票を再検討した。これによって、業務遂行の進捗状況は予想よりやや遅れた結果となった。このため、今後の方針として、本研究で実施したアンケート調査結果に交通行動分析モデルを適用し、個人・世帯属性、自動車利用意識などがEVシェアリングの利用意識に与える影響について、更なる詳細な分析を実施する予定がある。

元のページ  ../index.html#39

このブックを見る