豊田市における自動運転関連技術の社会実装を支援する基礎的研究
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284-4.自動運転等の必要環境整備量分析結果 (1)全居住地をカバーするための整備延⾧ 全居住地をカバーするために必要となる自動運転対応道路の整備延⾧の算出結果を表 4-1に示す。この場合、優先度指標による差はないため拠点数の違いのみ示す。 最も延⾧が⾧いのは拠点数1箇所の156kmである。GISから算出した旭地区の全道路延⾧314kmの半分程度の距離にあたる。拠点数を増やすと延⾧が短くなり、3箇所で150km、5か所で144kmとなる。各居住地から一つの拠点を最短経路で結ぶ場合と比べて、副拠点を設けることは利用者を集約するため、整備延⾧が短くなる。 整備延⾧あたりの路線圏人口は拠点数1箇所の時に最小となる17.0人/kmである。拠点数3箇所で17.7人/km、5箇所で18.4人/kmである。 表 4-1 全居住地をカバーするための整備延⾧ 拠点数(箇所)135整備延長(km)155.6149.5143.6整備延長あたり路線圏人口(人/km)17.017.718.4 拠点数別の自動運転対応道路網を図4-10図4-11図4-12に示す。なお、これらの図では拠点間を連絡する経路を利用する人の数は表示していない。 ここで、整備延⾧あたりの路線圏人口の評価の参考とするため、旭地区を含む豊田市全体と、豊田市に近い大都市である名古屋市において、総人口を総道路延⾧で除した値と比較する。豊田市全体では125人/kmであり、政令市である名古屋市では346人/kmであった。人口密度の低い中山間地では都市部を含む地域よりも値が小さくなることは当然であるが、自動運転対応道路の整備を検討する際の都市部と中山間地との条件の違いを把握できる。 また、整備延⾧のうち約7割が車道幅員5.5m未満の道路である。これらの道路を自動運転対応道路として整備するには、先に挙げた高精度3次元地図や磁気マーカーだけでなく、部分的な幅員拡幅などの道路改良や路面標示の再整備などが必要となる可能性がある点も留意が必要である。

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