豊田市における自動運転関連技術の社会実装を支援する基礎的研究
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27(3)自動運転対応道路整備順序の決定手順 経済的観点からは、自動運転対応道路の整備延⾧は短い延⾧で多くの人が利用できることが望ましい。本稿では、拠点または副拠点を起点として、優先順位の高い区間を機械的に選んで整備を進める方法で延⾧を計算する。その手順は以下のとおりである。図-2に手順のイメージを示す。 Step-1:拠点または副拠点から居住地まで最短距離となる経路をGISで計算する。その際、地区外の道路を経由するほうが最短経路となる場合があるため一部地区外の道路も対象にしている。副拠点を設ける道路網では、拠点と副拠点を連絡する区間を優先的に整備する。拠点と副拠点を連絡する区間の延⾧は、拠点数3箇所で約11km、拠点数5箇所で約19kmである。 Step-2:優先度指標を計算する。居住地から拠点までの経路を利用する利用可能人口(または距離あたり利用可能人口)を区間ごとに集計して算出する。 Step-3:優先順位は、優先度指標を用いて判定し、優先度指標の大きな区間から整備を進める。ここで、整備によって自動運転車が利用可能となる人口を「路線圏人口」と呼ぶ。 拠点や副拠点を起点として自動運転対応道路の整備を進めるにつれて、路線圏人口が増加する。路線圏人口の増加は、道路網の種類(1箇所、3箇所、5箇所)と評価指標の違い(利用可能人口と距離あたり利用可能人口)によって異なる。これらの違いを考慮して、自動運転対応道路の整備延⾧と路線圏人口の関係を分析する。

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