超高齢社会における社会基盤の在り方に関する研究~高齢者の財務的効率・生きがいに着眼して~
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33 「徒歩」が普段の交通手段である場合、「散歩・軽い体操」を除いて、活動量が少なくなっている。次に居住地をみると「近所づきあい」において都会であるほど活動量が少ない傾向がみられる。そして居住地の施設状況をみると、「ベンチ等休憩場所がない」、「公共交通が整備されていない」、「病院が少ない」、「散歩・運動のできる公園が少ない」が複数の活動量に影響を与えていることがわかる。そして、そのほとんどがそれぞれの活動量の低さと強く関係している。「ベンチ等休憩場所がない」、「散歩・運動のできる公園が少ない」は特に「散歩・軽い体操」、「運動・スポーツ」といった身体的健康度を高める活動との関係性が強く、このような施設の整備が当該活動量を高める上で重要である可能性が示唆される。また、「病院が少ない」は「友人との交流」、「趣味・習い事」といった活動との関係が強くなっているが、可能性として、病院という環境が、ひとつの交流の場として機能し、新たな付き合いや興味の発掘につながっているのかもしれない。「公共交通が整備されていない」は「就労」との関係が強く、高齢者の就労活動を支える上で重要な要素である可能性がうかがえる。

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