高齢者の「終活」MMツールの考案
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-1- 1 はじめに 1-1 研究の背景と目的 今後急速に進むであろう「自家用車依存の生活を送ってきた世代」の高齢化および少子高齢化かつ核家族化の浸透を背景に、高齢者のモビリティ確保が重要な課題となっている。また高齢福祉分野では、高齢者が自ら残された人生を如何に過ごし最期を迎えるのか、あるいは死後の周囲への配慮などを自分自身で計画する「終活」が注目されている。 高齢者のモビリティ確保という交通課題においても、このような「終活」の一環として高齢者自身が考えることが、具体的な行動変容に繋がるのではないかと考えた。そこで「安全な自家用車利用(運転)」「代替交通手段の確保」の2視点から、高齢者を対象とした効果的なモビリティ・マネジメント(以下、MMと略記する)手法の検討を行う。令和元年度は基礎的な文献調査を実施するとともに、効果的なMMツールの構築を試みた。 1-2 研究内容 本研究の内容は以下のとおりである。 (1) 少子高齢社会における交通問題・課題の整理 • 既往研究・調査等のレビューにより、高齢者の社会活動における課題を整理し、MMツール考案のための検討資料として整理する。 (2) 高齢者へのヒアリング • 下山地域で実施したIC乗車券を用いたバス利用促進MM(豊田市からの受託研究)の実施と併せて、参加者へのヒアリング結果から高齢者の交通実態・意識等を整理する。 (3) 終活MM実施イメージの構築 • 課題等を踏まえて、次年度に実施するMM実施のイメージを構築し試作するとともに、実施方法など一連のMMシステムとして整理する。

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