高齢者の「終活」MMツールの考案
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-36- 4 高齢者を対象としたMM手法の検討(まとめ) 4-1 MM実施内容に関する方針 前章までに示した調査結果に基づき、高齢者を対象としたMM手法の方針をとりまとめる。 家庭や地域と連携した高齢者の行動変容とモビリティ確保 • 体験乗車会では、サロンを通じての参加募集によって、当初の目標に近い参加者を得るとともに友人らとともに「おでかけ」の楽しさを参加者に供することができ、一定の効果が確認された。⇒ 地域サロンや高齢者クラブ等との連携など、地域ぐるみでのMMを検討する。 • 運転免許返納に関する調査において、子らの進言が行動変容において効果的であることが確認できた。また、家族のサポートがあれば免許返納に至りやすい例も見られた。⇒ 家族ぐるみのモビリティ・マネジメントの展開により、高齢者の行動変容(免許返納、バス利用、安全車両への買換、補償運転の実践など)を効果的に促すことができると考えられる。 • サロンの参加者のほとんどは女性であった。しかし一般的にリタイヤ後の男性高齢者の社会活動参加や公共交通利用への行動変容が社会的課題となっている。また、本研究の当初に掲げた「終活との連携」を踏まえると、資産管理計画など、世帯主であるケースが多い男性高齢者へのMMが望ましい。 ⇒ 男性高齢者を対象としたモビリティ・マネジメント実施を検討する。 高齢者を対象としたMMのキーワード 明るい MM : 「クルマに代わる楽しみ」「移動とのつきあい方」 地域に貢献 : 「地域への関わり」「積極的な地域活動参加」 家族の安心 : 「子からの進言」「安全な移動」

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