高齢者の「終活」MMツールの考案
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-5- 2-3 終活という考え方とMM (1) 終活とは何か 少子高齢化かつ核家族化が浸透し、また地域社会のコミュニティ活動・人と人との関わりが希薄化している現代社会においては、人間が自らの死を意識し、残された人生を如何に過ごし最期を迎えるのか、あるいは死後の周囲への配慮などを自分自身で計画する「終活」が注目されている。本研究の発端は、この終活という考え方やその行動において、高齢者自身の交通行動を考えることを包含させることにより、効果的に交通行動変容を促すことができるのではないか、と考えたことにある。 終活という言葉の起源は、平成21年に「週刊朝日」の連載記事で使われ広まったものであるとされているが、現在では公的機関においても市民向けの用語として使用されている。以下にWebメディア等で確認できる終活の定義・解説を引用する。 【デジタル大辞泉(小学館)の解説】 《「就活」のもじり。「終末活動」の略か》人生の終末を迎えるにあたり、延命治療や介護、葬儀、相続などについての希望をまとめ、準備を整えること。→エンディングノート →遺言信託 [補説]平成21年(2009)に「週刊朝日」で連載された「現代終活事情」により広く知られるようになった。 【日本大百科全書(小学館)の解説】 自分の人生の終末のためにする活動のこと。就職活動が「就活」と略されるのと同種の造語で、週刊誌の連載記事で初めて使われたとされる。当初は自分の葬儀や墓について生前に準備することをさしたが、ことばが定着するにつれ、医療や介護についての要望、身辺整理、遺言、相続の準備なども含まれるようになった。 「終活」をテーマにした書籍が数多く出版され、専門のコーナーを常設している書店も多い。また、講演会や、葬儀社、石材業者、遺言・遺産相続にかかわる行政書士、介護施設など合同の「終活フェア」も開催されている。 このような「終活」のブームともいえるような広がりの背景には、2012年(平成24)4月には65歳以上の人口が3000万人を超えて本格的な高齢化社会を迎えたこと、配偶者や家族をもたない高齢者が多くなり、また、家族の絆(きずな)が弱まって独居老人、孤立死が増えたこと、東日本大震災でみられたように年齢を問わずだれにも「不慮の死」は訪れうるということが広く再認識されたことなどがあると指摘されている。[編集部] 【朝日新聞掲載「キーワード」の解説】 残りの人生をよりよく生きるため、葬儀や墓、遺言や遺産相続などを元気なうちに考えて準備する。3年前に週刊誌が使った造語。映画「エンディングノート」で一躍話題に。総務省や厚生労働省の調査によると、今年4月現在、65歳以上の人口は3千万人を超え、日本の総人口の23.7%。その半数以上が高齢者だけで暮らしている。「終活の第一人者」と呼ばれる家族葬専門葬儀社(奈良県)の寺尾俊一社長は「孤

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