平成30年度 自主研究概要 報告者: 坪井志朗 研究分野 1暮らしを支える交通、2.都市空間を創出する交通、3.交通の安全・安心 業務類型 1.調査、2解析、3.政策検討、4.その他 研究題目または 報告書タイトル 人口構成と交通動向を考慮した将来都市構造可視化シミュレーションツールの開発に関する研究 研究の背景・内容 ・我が国の地方都市では拡散した市街地で急激な人口減少が見込まれる一方、大都市では高齢者の急増が見込まれる中で、健康で快適な生活や持続可能な都市経営の確保が重要な課題となっている。 ・この課題に対応するためには、都市全体の構造を見渡しながら、住宅及び医療、福祉、商業その他の居住に関連する施設の誘導と、それと連携した公共交通に関する施策を講じることにより、市町村によるコンパクトなまちづくりを支援することが必要である。 ・コンパクトシティを目標とし、構築していくには、行政のみならず、様々な分野の専門家、地元住民、民間企業が協力し合い、共通した将来都市構造のイメージを持つ必要がある。 ・都市将来像を交通動向や都市計画の分野から分析を行ったうえで、様々な将来都市構造を可視化できる「将来都市構造可視化シミュレーションツール」の開発を行い、地域特性を考慮したコンパクトシティを検討した。 研究結果・ 得られた知見等 ・豊田市の現状人口や100mメッシュ人口を基に、将来推計人口を算出し、100mメッシュ将来推計人口分布を構築した。 ・豊田市のPT調査や将来推計人口を基に、将来推計PTを算出し、100mメッシュ将来推計PTを構築した。 ・VBA(Visual Basic Application)を用いて、将来的に目標とする将来像を検討できる「将来都市構造可視化シミュレーションツール」を開発した。 ・「将来都市構造可視化シミュレーションツール」を用いて、将来的に目標とする都市構造のシナリオを作成し、持続可能な都市構造を可視化し、検討した。 研究成果 社会への貢献、 報告、技術的特徴等 *予定含む ・豊田市の行政計画において、2040年を目標として、将来人口を豊田市全域で420,000人と設定している一方で、人口問題研究所が算出している将来推計人口では408,866人と算出されており、11,134人の差分があることを示した。 ・豊田市の将来推計PTを算出し、人口減少・高齢化に伴い、PT数が減少することを示した。 ・将来都市構造可視化シミュレーションを用いて、人口を増加する地域や維持する地域を検討し、コンパクトな都市構造を構築した。 所内の担当者氏名・ 担当者 坪井志朗 協力先名 豊田市都市計画課(データ提供) 中京都市圏総合都市交通計画協議会(データ提供) 問題点・課題・今後の研究予定・その他 日本学術振興会の研究活動スタート支援(期間:2018年10月~2020年3月)の研究助成を受け、研究を継続実施する。 来年度の予定 ・「将来都市構造可視化シミュレーションツール」を用いて、行政関係者、専門家等にヒアリングを行い、豊田市の特徴を活かした将来都市構造を検討する 関連論文(H30年度) (当年報掲載ページ) Development of the Planning Support System for a Compact City in Consideration of the Development Potential 行政計画の目標とする将来都市構造の可視化に関する研究
元のページ ../index.html#3