人口構成と交通動向を考慮した 将来都市構造可視化シミュレーョンツールの開発に関する研究
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22 4-1-2.現況のPTの概要 豊田市内に居住する人の総トリップ数は911千トリップであり、1人当たりトリップ数は平均2.3トリップ(トリップ/人日)となっている。また、代表交通手段別トリップ数は自動車での移動が全体の72.0%を占め、鉄道による移動は5.0%、バスによる移動は0.7%となっている。 4-2.小ゾーン別の将来推計PTの算出 4-2-1.小ゾーン別将来推計PTの算出方法 本研究では小ゾーン別の将来推計人口を基に、将来拡大係数を算出する。なお、第5回中京都市圏パーソントリップ調査では、小ゾーン別・性別・年齢階層別・世帯別で拡大係数を算出しているが、3章の将来推計人口では将来世帯数まで計算していないため、本報告書では、小ゾーン別・性別・年齢階層別で将来拡大係数を算出し、将来世帯数の算出は来年度の課題とする。また、自由目的及び業務目的の自動車移動に対して補正を行っている。 4-2-2.小ゾーン別将来推計PTの算出結果 小ゾーン別代表交通手段別トリップの2010年と2040年の比較を表 4-1に示す。総トリップ数は2010年では911,320トリップであったが、2040年には843,156トリップに減少し、減少率は0.92である。2010年人口(421,487人)と2040年推計人口(408,866人)の減少率は0.97であるため、人口の減少率よりもトリップ数の減少率のほうが大きい。これは、高齢者人口割合が増加することで、一人あたりのトリップ数が減少することが起因していると考えられる。 小ゾーン別代表交通手段の分担率を表 4-2に示す。2010年時点においても自動車の代表交通手段分担率は高くなっているが、2040年推計においても自動車の分担率が高く、特に、山村地域では80%を超えている。しかし、前述しているが、本推計は現在の交通動向に変化がないことを前提としているため、将来的によりモビリティが発達することで、公共交通の分担率が向上することが考えられる。

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