20 4.交通分野から見た将来都市構造の構築 本章では、豊田市の将来推計PTを分析するために、中京都市圏総合都市交通計画協議会が算出している第5回中京都市圏パーソントリップ調査を基に、その算出方法を整理した上で、小ゾーン別将来推計PTを算出する。さらに、100mメッシュ将来推計人口分布を基に、小ゾーン別将来推計PTを100mメッシュへ配分するパラメータを設定し、100mメッシュ将来推計PTを構築する。 なお、本研究では豊田市に居住する人のPTを分析するため、対象を豊田市居住者のPTを抽出して行い、その中には、内内トリップ(豊田市の中での移動)や外外トリップ(豊田市外での移動)、流入トリップ(豊田市外から豊田市内に流入する移動)、流出トリップ(豊田市内から豊田市外に流出する移動)を含んだ値となっている。また、PTは平日データと休日データに分かれているが、本研究では平日データを用いて計算し、以後、PTデータは平日データを示すこととする。 また、本分析ではトリップエンドでの分析になっていること、地域別・性別・年齢階層別の人口構成を基に将来推計PTを算出しており、将来的な交通分担率が大きく変わらないことを前提としていることに留意する必要がある。 4-1.豊田市のPT数の整理 4-1-1.現況のPT数の算出方法 PT調査はサンプル調査であるため、中京都市圏に居住する人の動きを全て把握している訳ではない。中京都市圏に居住する人の動きをすべて把握するためには、サンプルから全体の姿を推定する必要がある。この全体の姿を推定するために、実態調査結果として得られているトリップに拡大係数を掛けて、中京都市圏のPTの総量を推定している。 また、第5回中京都市圏パーソントリップ調査では、これまでの訪問調査から郵送調査に変更されたことにより、回収調査票に記入漏れ等による不明の回答が多く含まれる可能性があるため、オリジナルファイルの検証及び拡大係数の見直し(補正)を追加して行っている21。データ整備の流れを図 4-1に示す。 21 豊田市、中京都市圏総合都市交通体系調査(豊田市パーソントリップ調査)報告書、2013年6月
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