次世代自動車のCO2 排出量算定における ビッグデータの活用に関する検討~ 車検証データに基づく自動車走行距離の推計 ~
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4表 3-1 車検回数と新旧走行距離計表示値記載の関係 初回車検 2回目車検 3回目以降車検走行距離計表示値の記載 なし あり あり 旧走行距離計表示値の記載 なし なし なし 3-2.個別統計データの活用 本提案手法では、車検証に記載された走行距離計表示値や旧走行距離計表示値の情報が得られる統計資料7)として、一般財団法人自動車検査登録情報協会から提供される個別統計データを用いる。 個別統計データでは、車検証の記載事項等(使用者・所有者の氏名や詳細な住所(丁目、番地)などの個人情報に関するデータなどを除く)を指定条件として、ユーザーが指定する条件に該当する自動車の保有台数データが提供される。 走行距離計表示値と旧走行距離計表示値も条件として指定することができ、例えば、走行距離計表示値を1,000km刻みと指定すれば、1~1,000kmに該当する車両台数、1,001~2,000kmに該当する車両台数、2,001~3,000kmに該当する車両台数のようにデータが得られる。なお、刻み単位は、1km、100km、200km、300km、400km、500km、600km、700km、800km、900km、1,000km、5,000km、10,000kmから選択できる。さらに、1,001km~500,000kmの範囲は1,000km刻み、1,001km未満と500,001km以上はそれぞれ一括集計というように、刻み集計と一括集計を行う下限・上限も指定することできる。 最新の自動車保有台数データの集計時期は、2018年3月末時点となっており、2009年3月末時点まで各年3月末時点のデータまで遡ることができる。なお、車検証に走行距離計表示値の情報が記載されるようになったのは2004年1月1日からであるが、走行距離計表示値を含む車検証の備考欄の情報を集計項目に指定できるようになったのは、集計時期が2012年3月末以降のデータからである。 表 3-2に、個別統計の項目と車検証の記載事項の対応を示す。走行距離計表示値以外の指定条件として、初度登録年月、自動車の種別・用途(小型乗用車等)、自家用・事業用の別、車両重量、燃料の種別、使用の本拠の位置等がある。個別統計データの集計例として以下の例が示されており、かなり詳細な車両属性に分類できることがわかる。ただし、旧走行距離計表示値と走行距離計表示値の計測日に関する項目は指定できない。 ・全国の自家用乗用車を対象に都道府県別、市郡区別、町大字別の台数 ・東京都と大阪府の乗用車を対象に車種別、メーカー別、車名別、型式別、初度登録年別の台数 ・全国の貨物車を対象に排出ガス適合コード別、車両総重量別の台数 また、個別統計データの集計対象となる自動車の種類は、道路運送車両法の登録自動車(道路交通法の大型・中型・普通自動車)と小型二輪車(道路交通法の自動二輪車:251cc

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