次世代自動車のCO2 排出量算定における ビッグデータの活用に関する検討~ 車検証データに基づく自動車走行距離の推計 ~
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285-2.自家用乗用車の市別推計 市町村が自動車CO2排出量を算出する場合には、一般的に、県の自動車CO2排出量を市町村の保有台数で按分する方法がとられている。この方法では、保有車両の燃費(走行距離当たりのCO2排出係数)の違いや走行距離の違いを反映できず、市町村の環境施策の効果が反映できない欠点がある。 そこで、本提案手法のB法を用いて、愛知県内の市郡別の自家用乗用車の年間平均走行距離を推計した。なお、市郡の区別は、車検証に記載されている使用の本拠に基づいているが、使用の本拠は初度登録時の住所である。そのため、市町村合併などで現在は存在しない市の場合は、郡部その他に分類した。また、使用の本拠が郡部となっているものでも、市町村合併などで現在は市と合併している可能性もあるが、今回はそのまま郡部その他に分類している。 愛知県全体を対象とした車種グループの分類と走行距離の推計結果を表 5-3に、さらに、車種グループを市区郡に細分したときの走行距離推計結果を表 5-4示す。また、個別統計データの設定条件を表 5-5に示す。 表 5-3 車種グループの分類と走行距離の推計結果(愛知県の自家用乗用車) 車種グループ12地域統計用車種初度登録年月2013年3月以前2013年4月以降車検間の期間TVI(年)23全車両台数Nexistence(台)1,718,7011,167,346サンプル車両台数Nsample(台)1,678,046444,078サンプル率Rsample97.6%38.0%式(9)の計算値(km・台・年)27,595,560,00013,383,782,000年間平均走行距離AATD(km)8,22310,046年度別平均走行距離FYTD2017(km)8,960愛知県自家用普通乗用車、小型四輪乗用車(レンタカーを除く) 愛知県内の自家用乗用車の2017年度の年間平均走行距離は8,960kmと推計された。グループ1のサンプル率は97.6%、グループ2のサンプル率は38.0%、トータルで73.5%と高いサンプル率が得られた。貨物車に比べてサンプル率が低くなったのは、初回車検の有効期間が3年と長いため、初度登録年月が新しいより多くの車両で走行距離が推計できないためである。 市区郡別の2017年度の年間平均走行距離は、最も走行距離が短い尾張旭市の8,181kmから、最も走行距離が長い新庄市の10,730kmまで、愛知県の平均値に対して、-8.7%~

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