143-5.年度別平均走行距離の推計 これまで検討してきた年間平均走行距離AATDjは、複数の年度にわたる年間平均値であるため、特定の年度について議論する場合や、車検間の期間TVIjが異なる車種グループで比較したり、車種グループを統合したりする場合には注意が必要である。そこで本節では、はじめに、車検の有効期間と初度登録年月に応じた走行期間の関係について整理し、続いて、年度別の平均走行距離の推計方法について検討する。 3-5-1.車検有効期間と走行期間の関係 図 3-2に、車検有効期間と走行期間の関係のイメージ図を示す。図中の青線で囲まれた範囲が、車検証に記載されている走行期間の範囲となる。なお、集計時期が2018年3月末時点の個別統計データを用いることを前提として、走行期間や初度登録年度を記載している。 (a) 車検有効期間:初回1年、2回目以降1年の場合 車検間の期間TVIjは1年である。初度登録年月が2017年4月以降の車両では、2回目車検を受けていないため、走行距離の算出はできない。次に、初度登録年月が2016年4月以降2017年3月以前の車両では、初回車検から2回目車検までの期間(走行期間)が、2016年3月末から2018年3月末までの2年間にわたる。同様に、初度登録年月が2016年3月以前の車両では、最新の車検と一つ前の車検の期間(走行期間)が、2016年3月末から2018年3月末までの2年間にわたる。車検有効期間は1年であるが、年間平均走行距離は2年間の平均値であることに注意が必要である。 (b) 車検有効期間:初回2年、2回目以降1年の場合 初回車検と2回目以降の車検で有効期間が異なるため、2つの車種グループに分ける必要がある。 ① 初度登録年月が2015年4月以降の場合 車検間の期間TVIjは2年である。初度登録年月が2016年4月以降の車両では、2回目車検を受けていないため、走行距離の算出はできない。次に、初度登録年月が2015年4月以降2016年3月以前の車両では、初回車検から2回目車検までの期間(走行期間)が、2015年3月末から2018年3月末までの3年間にわたる。 ② 初度登録年月が2015年3月以前の場合 車検間の期間TVIjは1年である。初度登録年月が2015年3月以前の車両では、最新の車検と一つ前の車検の期間(走行期間)が、2016年3月末から2018年3月末までの2年間にわたる。
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