地区内道路の課題に関する基礎研究 ~ 歩行者保護に資する対策の検討 ~
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-1- 1 はじめに 1-1 研究の背景と目的 地域住民の生活に密接した地区内道路(主に市町村道であり、生活道路として機能している道路)に関する計画や整備の課題は、より安全にアクセス機能を持たせることが主となる。そのため、地区内道路の主な利用者である沿線地域の住民にとって住環境に直結した重要なインフラであり、豊田市はじめ地方都市では、主に地域住民からの「要望」に基づいた整備(維持・管理含む)がなされていることからも、その計画・維持・管理・整備において地域住民の役割が重要であることがうかがえる。 一方、地域住民自身が取り組むことのできる交通安全対策は主に啓発等ソフト的な施策であり、街頭で交通安全を呼び掛け、また、子どもらの登下校を見守る「交通安全立哨活動」が定期的に実施されている。豊田市では歩行者保護に重点を置いた交通安全啓発施策が展開されており、昨年度の研究においてドライバーへのアンケート調査から「地域の知人による立哨」「謝意メッセージ」など、効果的な啓発方法の可能性が示唆された。 以上を踏まえ、本年度は「地域の交通安全対策」について、地域で実践できるソフト対策に加えてハード対策の課題も整理しながら「地域住民による効果的な交通安全対策の提言」を目指し、効果的な安全立哨活動についての検討に取り組んだ。なお本研究は、豊田市交通安全防犯課からの委託研究と併せて実施している。 1-2 研究内容 本研究の内容は以下のとおりである。 (1)歩行者保護に資する施策の整理(第2章) 路側でのドライバーに対する情報提供・注意喚起方策、住民参加による対策など、ハード・ソフト両面から事例収集しながら整理する。 (2)効果的な啓発実証実験の企画(第3章) H29年度自主研究成果を踏まえ、地域住民や地域企業の交通安全立哨活動を想定した実証実験を企画する。

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