-28- やメッセージ・立哨者の態度などについて、その効果検証がなされていない。通行したドライバーに対しアンケート等による意識調査を実施することで、そのような評価を行うことができるが、路上での通行車両へのアンケート配布は困難であり、例えば警察との共同研究として実施する必要がある。 ③ 立哨活動実施者の意識 第3章3節で述べたように、立哨活動の意義は活動に参加する地域住民や企業従業員らにとって地域づくりの観点からの効用があると考えられる。また、過年度のアンケート調査結果から「止まってもらった経験が自分も止まるようになる」という傾向が把握されている(図3-11)ことから、活動に参加することで立哨者自身の歩行者優先意識が高まることが期待される。 このような観点からの施策効果は、立哨活動参加者への意識調査により評価可能であると考えられる。今後「謝意プレートによる能動的立哨活動」を地域に展開し実施した時、活動に参加した人に対するアンケート調査実施の必要性を感じる。 5-2 地域・企業への展開に向けて 地域住民や企業従業員による立哨活動において「謝意プレートによる能動的立哨活動」を実施するにあたり、留意する点を以下に列記する。 • 能動的立哨活動の意義と効果の理解 本研究で得られた知見に基づき、ドライバーに対する謝意表示が効果的であり能動的立哨により歩行者優先率が高まることなどを、交通安全街頭活動を実施する団体に伝え、理解を得た上で取り組んでもらう。このことは、立哨活動実施者にとっての意識変容効果も期待される。 • 立哨方法のポイント • 地域内に信号の無い横断歩道で比較的通行量(車両・歩行者ともに)が多い場所があれば、そこで「歩行者優先の停止」を促す立哨を行う。 • 横断歩道の近くに立ち「歩行者優先 ありがとう!」等と書かれたプレートを提示しながら、なるべくドライバーの顔を見てアイ・コンタクトを取ることに努め、停止した車両に対して頭を下げ、交通安全行動を感謝していることを表現し伝える。 • 1箇所につき、2~4人程度で十分に効果が得られると考えられる。
元のページ ../index.html#34