地区内道路の課題に関する基礎研究 ~ 歩行者保護に資する対策の検討 ~
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-24- 4-2 実験結果 (1)調査日毎の歩行者優先運転の状況 調査日毎の観測結果を図4-6に示す。全事象数に対する「停止」と「減速保護」の合計の割合を「歩行者優先率」とし、これを評価指標とした。 1時間の観測データではサンプル数が少ないため日毎の変動がやや大きいように見うけられるものの、最も歩行者優先率が高かったのは能動的立哨(立哨2)を実施した1日目の75.6%であり、最も低かったのは中間調査時(立哨無し)2日目の55.7%であった。 図 4-6 調査日毎の歩行者優先運転の状況 (2)各タームの歩行者優先運転の変化 各ターム(3日間)の観測データを合計し、歩行者優先率を算出した結果は図4-7に示すとおりである。立哨実施時に歩行者優先率が高くなることがわかる。特に能動的立哨を実施した立哨2では73.4%となり、5ターム中最も高い値であった。ただし、立哨1と立哨2では統計的に有意な差は確認できない。 なお、通常時9日間の合計(通過421件、歩行者優先726件、歩行者優先率63.3%)と立哨時1、2の合計6日間のデータ(通過222件、歩行者優先531件、歩行者優先率70.5%)との間には1%有意水準で統計的に有意な差(P=0.0014,Yatesの補正によるP値)が認められており、交通安全立哨活動実施時の効果が確認された。 60394435444442585229373347384111131111251114181221161821201779667979607254557469737668615360.0%66.9%67.2%72.0%65.9%65.4%61.8%55.7%62.3%75.6%70.6%74.0%65.4%68.1%63.1%0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%70.0%80.0%020406080100120140160180200歩行者優先運転の状況通過減速保護停止歩行者優先率【事前】【立哨1】【中間】【立哨2】【事後】

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