-13- 3-3 実証実験の意義と企画の提案 (1)交通安全立哨活動による歩行者保護啓発の意義 平成29年度に豊田都市交通研究所が実施したドライバーへのアンケート調査結果から、以下の知見が得られている。 上記の知見が得られた根拠となる分析結果を示す。まず、さまざまな状況を提示し、その状況であれば自分はどれくらい「歩行者を見たら停止できる」のか、10段階で回答を求めた。その結果の平均得点を図3-10に示す。 図 3-10 交通ルール違反に対するドライバーの意識 路上での呼び掛け(立哨活動)がなされている状況は、警察による取締りには及ばぬもののドライバーの歩行者保護運転を促す効果が比較的高いと考えられる。特に「地域の顔見知り」による場合と「知人ではない人たち」の場合とで差があり(t検定による差の平均検定では有意水準1%で有意な差を確認)され、知人が街頭で「横断歩道での停止」を呼びかけている状況の方が「止まるようになる」という傾向が確認できた。 7.56.45.95.00.02.04.06.08.0警察が横断歩道で止まらないクルマの取締りをしている地域の顔見知りが立哨活動をしている知人ではない人が立哨活動をしている「横断者注意」を呼び掛ける看板が設置されているこの状況だと、どれくらい停止できるようになるか(10段階回答の平均値)‣ 顔見知りによる路側での交通安全立哨が効果的である。 ‣ より多くの人が「止まってもらった」経験をすることで、歩行者を優先するドライバーが増加することが期待される。 ‣ 歩行者保護運転を促す効果的なメッセージとしては「止まってくれてありがとう」など、ドライバーへの謝意を示すことが高い支持を得ている。 有意差あり t=7.333 P<0.001
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