豊田市の高齢運転者の事故特徴を踏まえた事故対策に関する検討
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3 る。 (3)交通事故件数の推計モデルの構築 まずは、交通安全対策の効果検証モデル(時系列解析モデル)を構築する。具体的には、交通事故の時間的な特性を分析するための時系列解析モデルの構築にむけて、1)高齢運転者の交通事故データを用いて、交通事故件数の時系列特性を把握する。なお、時系列特性を把握するにあたり、年、半期、四半期、月それぞれを集計単位とした基礎集計を行う。2)豊田市における各時期に行われた対策の種類と頻度などを整理する。3)時系列分析結果を踏まえ、事故対策実施効果を評価するための時系列分析モデルを構築する。 そして、道路物理的特徴と事故件数の関係モデル(空間経済計量モデル)を構築する。具体的には、交通事故の空間的な特徴を分析するための空間経済計量モデルの構築にむけて、1)高齢運転者の交通事故データを用いて、交通事故件数の空間的特徴を把握する。なお、空間的特徴を把握するにあたり、集計単位として、250mメッシュ、500mメッシュなどの分析を実施した上、最適な集計単位を検討する。2)集計単位を対象とした物理的な環境指標を構築する。具体的に、道路複雑度は交通事故との関連性があるため、道路幅員等を考慮した指標を構築する。3)空間的相関性を考慮した交通事故件数の推計モデルの構築を通じて、事故件数に影響を与える物理的な要素を解明する。また、高齢者と非高齢者それぞれに適用したモデルの分析結果から、高齢者の事故が多い地域の物理的な特徴を解明する。 (4)とりまとめ まずは、豊田市の高齢運転者の交通事故を低減するための方策を提案する。具体的には、全国、愛知県それぞれの交通安全計画による高齢運転者の事故対策を参考し、豊田市の交通安全計画による事故対策の違いを把握することで、「車・人・環境」の分析視点から、豊田市の高齢運転者の交通事故を低減するための方策を提案する。ここで、高齢運転者の事故対策を効率的に整理するため、テキストマイニングの機械学習手法を用いる。 そして、研究成果を取りまとめた報告書を作成する。全国、愛知県と比較した豊田市の高齢運転者による交通事故の特徴、高齢運転者の事故件数を推計するモデルの分析結果、高齢運転者の事故対策の提案などを取りまとめ、豊田市が高齢運転者の事故対策を検討するための基礎資料を活用できるようにする。 1-4 研究体制 本研究は、多様な有識者へのヒアリングや有識者を招いた研究会の参加による検討を深度化するため、昨年度設置した近隣交通安全研究会(以下、NTS研究会と称する)の場を活用し、高齢運転者の交通事故特性分析やそれに対する事故対策検討について議論をしてきた。なお、NTS研究会の趣旨は関係組織で実施した生活道路走行速度の抑制、抜け道利用の抑制などについての研究を広く議論する場を設けることである。 NTS研究会のメンバーは以下の通りである。

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