39 説明変数推定値標準分散T値運転に対する不安意識(0, 1 or 2以上): 順序プロビットモデル(不安意識の増加)後期高齢者ダミー0.0600.0660.91男性ダミー-0.217***0.069-3.14眼鏡使用ダミー0.0280.0650.44運転が好きダミー-0.339***0.076-4.45物忘れの自覚有ダミー0.265***0.0654.07事故経験(過去3年間)有ダミー0.1850.1261.47信号交差点における運転能力可ダミー0.1340.1031.30無信号交差点における運転能力可ダミー-0.0730.064-1.13進路変更際の運転能力可ダミー-0.118*0.064-1.85カーブ走行際可ダミー0.192***0.0682.84定数項0.1870.1341.40今後の運転に対する気持ち(0, 1 or 2): 順序プロビットモデル(楽しみの増加)後期高齢者ダミー-0.131*0.068-1.91男性ダミー0.0440.0700.62眼鏡使用ダミー-0.0090.066-0.13運転が好きダミー0.795***0.07910.13物忘れの自覚有ダミー-0.115*0.068-1.69事故経験(過去3年間)有ダミー-0.0660.123-0.54送迎可能ダミー0.0570.0700.82公共交通利用可能ダミー0.0200.1020.20定数項-0.275*0.143-1.92運転免許の返納意識(0, 1 or 2):順序プロビットモデル(返納傾向の増加)後期高齢者ダミー0.570***0.1932.96男性ダミー0.1310.1840.71眼鏡使用ダミー0.0890.1710.52運転が好きダミー-0.475**0.205-2.31物忘れの自覚有ダミー0.1140.1850.62事故経験(過去3年間)有ダミー0.1130.2550.45送迎可能ダミー0.0720.1720.42公共交通利用可能ダミー-0.0060.296-0.02定数項-1.773***0.433-4.10注:*** at 1% 有意; ** 5% 有意; * 10% 有意モデルの推定結果(βベクトル)•運転への不安意識、今後の運転へ気持ち、免許返納意識それぞれに影響を及ぼす要因は次の表から読み取れる。なお、有意な説明変数の正負を表すため、青・赤文字を用いる8推定結果への解釈•後期高齢者、運転が好きではない方が運転免許を返納する可能性が高い•性別、眼鏡使用、物忘れの自覚、事故経験、送迎交通有無、公共交通利用可能性が高齢運転者の運転免許の返納意識に影響していない•一方で、女性の運転者は運転への不安意識が高い。また、物忘れの自覚がある方は運転への不安意識が高く、運転の楽しみが少ない傾向が高い•進路変更際の運転能力が不可、カーブ走行際の運転能力が可の方は不安意識が高い説明変数(定数項を除く)不安意識の増加楽しみの増加返納傾向の増加後期高齢者ダミー男性ダミー眼鏡使用ダミー運転が好きダミー物忘れの自覚有ダミー事故経験(過去3年間)有ダミー信号交差点における運転能力可ダミー無信号交差点における運転能力可ダミー進路変更際の運転能力可ダミーカーブ走行際可ダミー送迎可能ダミー公共交通利用可能ダミー注:赤はマイナスの影響、青はプラスの影響、白は無影響、グレーは説明変数ではない9モデルの推定結果(Σ共分散行列)•運転への不安意識、今後の運転へ気持ち、免許返納意識の関連性を把握するため、誤差項の共分散行列を求める•その結果、負の関連性が存在しているのは、不安意識と今後の運転に対する気持ち、運転免許の返納意識と今後の運転に対する気持ち。一方で、正の関連性が存在しているのは、運転免許の返納意識と不安意識。ここで、負の関連性があるのは相補効果、正の相関性があるのは相乗効果を表す不安意識今後の運転に対する気持ち運転免許の返納意識不安意識0.227**(0.476)今後の運転に対する気持ち-0.068**0.227**(0.477)運転免許の返納意識0.157**-0.171**0.760**(0.872)注: 1) *** at 1% 有意; ** 5% 有意; * 10% 有意2) 各順序プロビットモデルの誤差項の標準分散は両括弧に示されている10まとめと研究の課題•まとめおよび研究の課題について以下のように整理(まとめ)○高齢運転者の講習結果および、それらを対象とした研究所独自のアンケート調査結果を用いて、運転免許の返納意識に影響を及ぼす要因を明らかにする。なお、運転への不安意識、今後の運転に対する気持ちなどとの関連性も明らかにする○主な知見としては以下の通り✓前期高齢者と比較して、後期高齢者が運転免許を返納する傾向が高い✓運転が好きな高齢運転者は、運転免許を返納する傾向が低い✓性別、眼鏡使用、物忘れの自覚、事故経験が運転免許の返納意識を影響していない✓送迎者、公共交通機関の利用可能は運転免許の返納意識を影響していない✓自主返納意識は運転不安意識との相乗効果、今後の運転に対する気持ちとの相補効果がある(研究の課題)○本研究は、豊田市における高齢者講習受講者を対象とした調査結果を用いるため、本研究の結論はすべての高齢運転者に適用することが困難○運転返納の意識調査は実際の返納行動を反映していないため、本研究の調査対象者への追跡調査が必要となる11
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