28 4-5 小括 本章で実施した研究分析のまとめは下記の通りである。 1)豊田市における高齢運転者事故の空間的な特徴としては、都心部を中心に分布していることに対して、非高齢者の事故は、都心から南部にわたって広い地域に分布している。 2)500mメッシュを集計単位として、高齢運転者の事故件数を分析するための負の二項回帰モデルの構築を通じて、高齢運転者の事故件数に影響を与える要因を把握した。 3)非高齢者と比較して、有意な説明変数の推定値の正負は同様である。また、説明変数が1標準偏差増加した計算結果から、高齢運転者の事故増加率が高い変数は総人口数、事故増加率がほぼ同程度である変数は交差点平均次数、事故増加率が低い変数は従業者数、総道路延長、狭広交差点数、商業系用途地域割合、工業系用途地域割合である。 そして、本研究の成果を踏まえて当初実施計画でまだ実施していない内容は、今後の分析方向性として挙げられる。まずは、250mメッシュ等を集計単位として、高齢運転者事故の空間的特徴を分析するとともに、交通事故件数の分析モデルの精度を把握し、最適な集計単位を検討する。そして、対象メッシュ間の空間相関性を考慮した交通事故件数の分析モデルを構築することを試みる。なお、構築するモデルは本章で構築したモデルの結果と比較して、構築するモデルの優位性を確認する。
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