豊田市の高齢運転者の事故特徴を踏まえた事故対策に関する検討
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27 本章では、構築した負の二項回帰モデルの推定結果から、説明変数が被説明変数に与える影響を把握するため、partially standardized IRR incidence rate ratio(以下、sIRRと称する)といった指標を用いる。ここで、sIRRの意味は、説明変数が1標準偏差増加した時の事故発生確率の増加率は(sIRR-1)である。本章では、IRRではなく、sIRRを選定した理由は、各変数の1単位のスケールが異なるため、それらを標準化することである。これらの説明変数に対するIRR及びsIRR指標に関する計算結果を表 4-6に示す。また、有意性がある説明変数に関する事故発生確率の増加率(sIRR-1)の結果を図 4-6に示す。この結果から、非高齢運転者と比較して、高齢運転者の事故増加率の傾向について、下記の傾向が読み取れる。 〇高齢運転者の事故増加率が高くなる説明変数は総人口数である。 〇高齢運転者の事故増加率がほぼ同程度である説明変数は交差点の平均次数である。 〇高齢運転者の事故増加率が低くなる説明変数は従業者数、総道路延長、狭広交差点数、商業系用途地域割合、工業系用途地域割合である。 表 4-6 説明変数の増加による事故増加率 説明変数 高齢運転者 非高齢運転者 IRR-1 sIRR-1 有意性 IRR-1 sIRR-1 有意性 総人口 0.000 0.184 ** 0.000 -0.094 従業者 0.004 0.235 *** 0.007 0.409 *** 高齢者人口割合 0.904 0.098 -0.229 -0.037 道路総延長 0.005 0.426 *** 0.008 0.857 *** 広広交差点数 0.033 0.068 0.044 0.093 狭広交差点数 0.055 0.451 *** 0.069 0.591 *** 平均次数 6.245 0.393 *** 5.402 0.365 *** 道路方向ent 1.106 0.085 -0.076 -0.009 商業系用途地域割合 -0.727 -0.088 * -0.855 -0.128 ** 工業系用途地域割合 1.709 0.207 *** 4.476 0.378 *** 注:*、**、***:それぞれ5%、1%、0.1%水準で有意 図 4-6 高齢運転者と非高齢運転者の事故発生増加率(sIRR-1) ******************​*****************-20%-10%0%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%総人口従業者高齢者人口割合道路総延長広広交差点数狭広交差点数平均次数道路方向ent商業系用途地域割合工業系用途地域割合sIRR-1高齢運転者非高齢運転者

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