豊田市の高齢運転者の事故特徴を踏まえた事故対策に関する検討
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23 4-1-2 説明変数の選定 (1)道路特性の説明変数 本章では、上記の加工した道路網データに基づき、道路特性を説明するため、道路延長、交差点、道路方向の3つの観点から説明変数を選定した。 1)道路延長 道路延長は、集計単位内の道路の総延長と幅員別に区分した延長(広幅員道路延長、狭幅員道路延長)を用いる。その際、上記の加工したデータをもとに、「本線(上下分離)リンク」は上りと下りのリンクを合わせてリンク1本とし、「交差点内リンク」を除外した。 2)交差点 交差点は、集計単位内の交差点総数と交差する道路の幅員により区分した数(狭狭、広広、狭広)を採用する。幅員が異なる道路の交差点では、走行速度が異なることによる事故が起こる可能性が高いため、交差する道路幅員による区分をした。また、交差点で交差する道路の本数が多いほど、運転際にドライバーの把握しなければならない状況が複雑になる可能性があるため、集計単位内の交差点の次数の総和を交差点総数で割った値である平均交差点次数も変数として用いる。 3)道路方向 道路方向は方向転換の複雑性を表すための指標である。本章では、直接に交差点ごとの方向転換を図ることではなく、道路リンクの方向がどの程度多様であるかを測る。その理由は、道路リンクの方向が多様であればあるほど、運転する際に方向転換も複雑になる可能性が高いと仮定した。そこで、メッシュ内のリンクごとの角度を算出して、角度の多様性を表すため、エントロピー指標を用いる。道路区間の角度は、真北方向を0度とし、時計回りで算出した。起終点が反対であるリンクの方向を同様なものとして、角度180度未満の値を用いる。カーブのある1つのリンクの場合、結合点(ノード)でリンクを切り、それぞれのリンクの角度を求める。本章では、集計単位のリンク数を10度刻みで区分して数えた。道路方向entは以下の式により算出した。 ln()ln()kkkPPentK=道路方向 (式4-1) ここで、Pkは、全体リンクの数に対した角度区間kに属するリンクの数の割合であり、Kは角度区間の数であり、ここでは18である。 (2)人口特性の説明変数 交通事故の発生に影響を及ぼす可能性がある人口特性の説明変数では、総人口数、従業者数、高齢化率を選定した。ここで、高齢化率は総人口数に対する65歳以上の人口数の割合である。なお、総人口数と高齢化率は平成27年国勢調査結果を用いて、従業者数は平成26

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