交通安全に係るビッグデータを活用するためのデータプラットフォーム構築の試み
9/110

3 念頭に入れて、国土交通省が作成した第4次メッシュ(500mメッシュ)、第5次メッシュ(250mメッシュ)などを分析対象単位として整理する。マクロレベルのオープンデータを整理するにあたり、日本国で整理、公表される多様なオープンデータについて、主に、交通安全ビッグデータの観点から活用が期待できるものを整理・収集する。また、文献調査の結果等を踏まえ、収集したデータについて豊田市等での有効性が期待できる指標への変換等を検討するとともに、存在が確認できない等から、有効性が期待できるもののデータ整備が困難な指標についても整理する。 さらに、豊田市が共有できる基礎データを整理する。具体的には、豊田市が共有できる基礎データについて、豊田市の関係部署の担当者を対象としたヒアリング調査を通じて把握する。そして、関係部署の業務を効率的に遂行するデータプラットフォームの構築に向けて、関係部署からのデータ提供を依頼し、整備すべきデータ種類や内容を整理する。その際、研究所が所有する基礎データ(例えば、デジタル道路地図など)と比較して、違いがあるかどうかを把握する。 (3)データプラットフォームの構築及びその活用方法 まずは、プラットフォームの構築方法を試みる。具体的には、国内外の研究報告事例を参考にしながら、主に事故発生位置情報を用いた事故分析統合システムの研究開発を参考し、QGISシステムにおいて、豊田市内地区別や市区町村別のオープンデータをデータの基盤として、地区や市の交通安全を評価するための解析モデルを分析ツールとして実装する。具体的に、整理済データを用いて、安全性の評価指標を自動的に作成・可視化する機能を備えるGISツールのプラグインを作成する。 そして、交通事故要因や空間分布特徴を解明する。具体的には、豊田市内の交通事故対策を検討するため、主に生活道路での交通事故を中心に、整理した豊田市地区別のオープンデータを用いて、交通事故要因を解明する事故件数の推計モデルや交通事故の空間分布特徴を解明するための推定モデルを構築する。これらの分析結果を踏まえ、豊田市における交通事故要因や空間分布特徴を把握する。 さらに、総合指標「交通安全力」を作成する。具体的には、構築したプラットフォームを活用し、主にオープンとなっている多様な指標を統合することで自治体の交通安全にかかる総合力を算定する「交通安全力」を作成する。当該指標は競争意識の促す点からも基礎自治体単位で集計できるものとし、まずは豊田市の全国、もしくは愛知県下における位置付けと、強み及び弱みを明示できるようにする。なお、当該指標は、メディアを含めた対外公表等も念頭に置き、経年変化を容易に構築できるような極力単純かつわかりやすい構成となるよう配慮する。 最後、データの維持管理や結果公表を検討する。具体的には、様々なオープンデータの更新方法や一般市民と対象とした分析結果の分かりやすい公表方法、非オープンデータの更新方法を豊田市の関係部署と協議したうえで検討する。豊田市の地域安全マップの作成を提案する。

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る