交通安全に係るビッグデータを活用するためのデータプラットフォーム構築の試み
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79 生活道路で発生した交通事故件数を目的変数としたポアソン回帰分析結果※1第一種,第二種低層住居専用地域***:P<0.001,**:P<0.01,*:P<0.05※2第一種,第二種中高層住居専用地域※3第一種,第二種住居地域及び準住居地域※4工業地域及び工業専用地域※5メッシュ中心との距離「用途地域種別」では,商業地域ほど推定値が高くなっている.また,低層住居専用地域では人対車両の推定値は+だが,車両相互では-の値をとっており,低層住居が多い住宅街においては,生活道路を走行する車と人との交通事故が多い可能性が考えられる.人対車両(n=472)車両相互(n=5,443)車両単独(n=328)変数推定値Z値判定推定値Z値判定推定値Z値判定定数項-3.186 -14.449 ***0.007 0.117 -3.042 -17.784 ***ヒヤリハット件数(件)0.001 4.956 ***0.001 9.653 ***人口(千人)-0.340 -3.136 **高齢者(65歳以上)の割合(-)2.020 5.216 ***0.711 6.203 ***低層住居専用地域面積(㎢)※15.802 1.652 -6.362 -4.979 ***中高層住居専用地域面積(㎢)※216.310 5.199 ***4.237 3.585 ***住居地域面積(㎢)※318.670 6.400 ***10.780 11.714 ***近隣商業地域面積(㎢)20.730 3.228 **22.070 12.887 ***商業地域面積(㎢)34.160 8.684 ***10.310 6.072 ***14.380 1.802 準工業地域面積(㎢)21.310 5.383 ***11.230 8.728 ***工業地域面積(㎢)※414.020 2.925 **6.278 4.284 ***駅までの距離(㎞)※5-0.172 -7.516 ***-0.214 -30.221 ***-0.051 -5.090 ***バスまでの距離(㎞)※5-0.230 -1.827 -0.243 -7.021 ***-0.322 -3.079 **小学校までの距離(㎞)※5-0.215 -1.842 -0.318 -9.607 ***交差点密度(件/㎞)0.064 4.735 ***0.042 7.353 ***0.037 2.434 *道路密度(㎞/㎢)0.025 3.769 ***0.039 21.544 ***0.027 3.899 ***AIC値2,490.212,537.02,591.2生活道路で発生した交通事故件数を目的変数としたポアソン回帰分析結果※1第一種,第二種低層住居専用地域***:P<0.001,**:P<0.01,*:P<0.05※2第一種,第二種中高層住居専用地域※3第一種,第二種住居地域及び準住居地域※4工業地域及び工業専用地域※5メッシュ中心との距離「交差点密度」,「道路密度」を見ると,人対車両,車両相互,車両単独,すべてにおいて有意であり,符号も+であることから,交差点が多く,道路が多い生活道路は交通事故が起こりやすいといえる.人対車両(n=472)車両相互(n=5,443)車両単独(n=328)変数推定値Z値判定推定値Z値判定推定値Z値判定定数項-3.186 -14.449 ***0.007 0.117 -3.042 -17.784 ***ヒヤリハット件数(件)0.001 4.956 ***0.001 9.653 ***人口(千人)-0.340 -3.136 **高齢者(65歳以上)の割合(-)2.020 5.216 ***0.711 6.203 ***低層住居専用地域面積(㎢)※15.802 1.652 -6.362 -4.979 ***中高層住居専用地域面積(㎢)※216.310 5.199 ***4.237 3.585 ***住居地域面積(㎢)※318.670 6.400 ***10.780 11.714 ***近隣商業地域面積(㎢)20.730 3.228 **22.070 12.887 ***商業地域面積(㎢)34.160 8.684 ***10.310 6.072 ***14.380 1.802 準工業地域面積(㎢)21.310 5.383 ***11.230 8.728 ***工業地域面積(㎢)※414.020 2.925 **6.278 4.284 ***駅までの距離(㎞)※5-0.172 -7.516 ***-0.214 -30.221 ***-0.051 -5.090 ***バスまでの距離(㎞)※5-0.230 -1.827 -0.243 -7.021 ***-0.322 -3.079 **小学校までの距離(㎞)※5-0.215 -1.842 -0.318 -9.607 ***交差点密度(件/㎞)0.064 4.735 ***0.042 7.353 ***0.037 2.434 *道路密度(㎞/㎢)0.025 3.769 ***0.039 21.544 ***0.027 3.899 ***AIC値2,490.212,537.02,591.2総括本研究により,生活道路における交通事故特性や交通事故類型別の事故要因の強弱について把握した.以下に主な知見を示す.〇高齢者割合が有意であり,特に,車両相互と比較して人対車両の推定値が大きいことから,今後高齢化が進行することで人対車両の交通事故が増加することが懸念される.〇用途地域種別では,商業地域ほど推定値が高くなっている.また,低層住居専用地域では人対車両の推定値は+だが,車両相互では-の値をとっており,低層住居が多い住宅街においては,生活道路を走行する車と近隣住民との交通事故が多い可能性が考えられる.〇交差点密度,道路密度は有意であり,推定値は+であることから,交差点が多く,道路が密集している生活道路では交通事故が起こりやすいことが考えられる.〇今後は,使用するモデルの精度の向上や要因に対する対策(ゾーン30地区の選定等)を検討していきたい.

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