50 5. 交通安全に係わるビッグデータを活用するプラットフォームの構築 本章では、研究所が保有する基礎データや国土交通省国土政策局国土情報課からダウンロードしたオープンデータを地理情報システムにて集約する方法を説明した上、オープンソースソフトウェアの一つであるQGIS環境にて開発するプラグインの開発方法やその活用方法を示す。 5-1 構築目的 交通安全に係わる様々なビッグデータを活用するには、異なる内容のデータを統一管理することが必要不可欠である。このため、地理情報システムにおいて、シェープファイルを構築することは有用である。シェープファイルは、様々な地理情報システム間でのデータの相互運用におけるオープン標準として用いられるファイル形式である。また、シェープファイル形式は、ポイント、ライン、ポリゴンという原始的な幾何学データを保存できるだけであるため、その構造は単純である。ここで、シェープ(ポイント、ライン、ポリゴン)とデータ属性を用いて、地理的データの表現を無限に作り出すことができる。表現により強力で正確な計算が可能になる6。 シェープファイルを作成・編集するため、地理情報システムを利用することが必要である。地理情報システムには、有料のArcGISやMapinfo等のソフトウェアがある同時に、無料のQGISやMANDARA等もある。有料のArcGISやMapinfoを入手するため、通常1ライセンス(保守期間内の永久ライセンス)は40万円前後で支払う必要がある。これに対して、無料のQGISやMANDARAを入手するための費用はゼロで、また、これらの無料のソフトウェアでも、随時更新が行われており、研究者や技術者がよく使われている。本章では、無料のQGIS環境にて研究所が保有する基礎データ(図 5-1参照)を集約し、そして、これらのビッグデータを活用するためのGISプラグインの開発方法を試みることを目的とする。 図 5-1 無料のQGISソフトウェアにて集約した基礎データ 6 ウィキペディア:https://ja.wikipedia.org/wiki/シェープファイル
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