20 4. 総合指標「交通安全力」の作成 本章では、主にオープンとなっている多様な指標を統合することで自治体の交通安全にかかる総合力を算定する「交通安全力」を作成することを報告する。 4-1 オープンデータの整理 データ整理の目的は次の通りである。日本国で整理、公表される多様なオープンデータについて、主に、交通安全ビッグデータの観点から活用が期待できるものを整理・収集する。また、文献調査の結果等を踏まえ、収集したデータについて豊田市等での有効性が期待できる指標への変換等を検討するとともに、存在が確認できない等から、有効性が期待できるもののデータ整備が困難な指標についても整理する。 4-1-1 整理方法 近年、地方分権の流れを背景に、基礎自治体それぞれが競争力を高めていくことが求められている。基礎自治体間で競争となるポイントは極めて多様であり、この点において、全国や地域から見た自都市の位置づけを客観的に把握できるような仕組みを作り上げることは有用である。以上より、本章では「市区町村」単位で公表されるオープンデータの整理を試みる。具体的には、公表される多様な市区町村別のオープンデータについてインターネットを通じて調査した。 調査にあたっては、交通安全に係る総合指標構築において特に有用性が期待できるものを中心に収集した。調査は平成30年6月~12月にかけて実施した。 4-1-2 整理結果 調査の結果、次の6種類のオープンデータを収集、整理した。 (1)統計でみる市区町村のすがた(総務省統計局) (2)経済・財政と暮らしの指標「見える化」 データ集(内閣府) (3)一般道路の各種情報提供(日本道路交通情報センター) (4)自動車保有台数(自動車検査登録情報協会、全国軽自動車協会連合会) (5)国勢調査(総務省統計局) (6)道路交通センサス(国土交通省道路局) 以下では、それぞれの概要等について述べる。 (1)統計でみる市区町村のすがた(総務省統計局) 社会・人口統計体系の市区町村データの中から、データの整備状況、分野の代表性、精度等を考慮し、取りまとめたものである。約100の基礎データを1年分掲載している。
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