交通安全に係るビッグデータを活用するためのデータプラットフォーム構築の試み
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18 3-4 分析方法 生活道路で発生した交通事故に関係する要因を分析するために、表 3-2で整理したデータの内、交通事故データを目的変数,その他データを説明変数とし,ポアソン回帰分析を行った。なお、ステップワイズ法により、説明変数を取捨選択している。また、生活道路で発生した交通事故を「人対車両」、「車両相互」、「車両単独」と分類し、分析した。 3-5 分析結果 ポアソン回帰分析により、生活道路における交通事故特性や交通事故類型別の事故要因の強弱について把握した。表 3-4にポアソン回帰分析の結果について示す。 表 3-4 ポアソン回帰分析結果 説明変数(単位) 人対車両(n=472) 車両相互(n=5443) 車両単独(n=328) 推定値 t値 判定 推定値 t値 判定 推定値 t値 判定 定数項 -3.100 -14.449 *** 0.007 0.117 -3.042 -17.784 *** ヒヤリハット件数(件) 0.001 4.956 *** 0.001 9.653 *** - 人口(千人) - -0.340 -3.136 ** - 高齢者(65歳以上)の割合(-) 2.020 5.216 *** 0.711 6.203 *** - 低層住居専用地域面積(km2)※1 5.802 1.652 -6.362 -4.979 *** - 中高層住居専用地域面積(km2)※2 16.310 5.199 *** 4.237 3.585 *** - 住居地域面積(km2)※3 18.670 6.400 *** 10.780 11.714 *** - 近隣商業地域面積(km2) 20.730 3.228 ** 22.070 12.887 *** - 商業地域面積(km2) 34.160 8.684 *** 10.310 6.072 *** 14.380 1.802 準工業地域面積(km2) 21.310 5.383 *** 11.230 8.728 *** - 工業地域面積(km2)※4 14.020 2.925 ** 6.278 4.284 *** - 駅までの距離(km)※5 -0.172 -7.516 *** -0.214 -30.221 *** -0.051 -5.090 *** バスまでの距離(km)※5 -0.230 -1.827 -0.243 -7.021 *** -0.322 -3.079 ** 小学校までの距離(km)※5 -0.215 -1.842 -0.318 -9.607 *** - 交差点密度(件/km) 0.064 4.735 *** 0.042 7.353 *** 0.037 2.434 * 道路密度(km/km2) 0.025 3.769 *** 0.039 21.544 *** 0.027 3.899 *** 赤池情報量基準 2,490.2 12,537.0 2,591.2 ***:P値<0.001、**:P値<0.01、*:P値<0.05 ※1 第一種、第二種低層住居専用地域 ※2 第一種、第二種中高層住居専用地域 ※3 第一種、第二種住居地域及び準住居地域 ※4 工業地域及び工業専用地域 ※5 メッシュ中心との直線距離 この分析結果から、以下のように考察する。 1. 高齢者割合が有意であり、特に、車両相互と比較して人対車両の推定値が大きいことから、今後高齢化が進行することで人対車両の交通事故が増加することが懸念される。

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