交通安全に係るビッグデータを活用するためのデータプラットフォーム構築の試み
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8 2-2 交通安全に係わるビッグデータの活用現状 本節では、交通安全に係わるビッグデータの活用現状を整理した結果を説明する。交通安全に係わるビッグデータを活用するための研究事例としては、交通事故総合分析センター(以下、ITARDAと称する)の研究成果が挙げられる。特に、事故分析に用いる種々の地理区間関連データを整備することや、分析結果を広く社会に公開し、交通安全意識の啓発をはかり、安全性の向上に努めることは本研究の参考となる。その詳細は図 2-6に示す。 図 2-6 ITARDAが構築したデータプラットフォームの概要 また、ITARDAが構築したデータプラットフォームによる成果として、生活道路における交通事故位置情報を可視化するツールが挙げられる。こういった可視化ツールは生活道路における交通事故対策のゾーン30整備箇所の検討に活用されている。その詳細は図 2-7に示す。 交通安全ビッグデータのプラットフォームの参考事例○交通事故総合分析センター(ITARDA)が事故位置情報の品質管理、沿道の建物用途、土地利用、プローブデータ、さらには天候や運転者の属性、車両属性等と連携した多角的、複合的な事故分析を行えるような地理情報システム○研究内容(1) 経度・緯度の正確さを確認し,正確ではないデータを修正するシステムを開発すること(2) 交通事故を道路のリンク・交差点単位に集計するシステムを開発すること(3) 集計された事故データをもとにした事故分析用のシステムを開発すること(4) 事故分析に用いる種々の地理空間関連データを整備すること(5) 交通事故の発生要因とクラスタリングについて分析すること(6) 分析結果を広く社会に公開し交通安全意識の啓発をはかり,安全性の向上に努めること○事故発生要因と事故のクラスタリングについての分析を実施するための代表的な基礎データ(公開済)国勢調査、経済センサス(公開済)国土数値情報(DID、小中学校区他)(公開済)都市計画(都市地域,用途地域他)(公開済)DRM(道路ネットワーク,地物)(公開済)地域メッシュ(3次,4次メッシュ)(未公開)緯度経度座標付き電話帳データベース(未公開)ゾーン30(未公開)ヒヤリハット出典:道路政策の質の向上に資する技術研究開発成果報告レポート「事故発生位置情報を用いた事故分析統合システムの研究開発」報告書、平成28年7月

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