5 2. 基礎データの整理や交通安全に係わるビッグデータの活用現状 本章では、当研究所が保有する基礎データや交通安全に係わるビッグデータの活用現状を整理した結果を示す上、これらのビッグデータを活用するための方向性を明示する。 2-1 研究所が保有する基礎データの整理 本節では、研究所が保有する基礎データを整理した結果を説明する。交通安全に係わるビックデータを活用することを念頭において、当研究所が保有する基礎データの一覧を図 2-1に整理する。基礎データの内容は交通事故データ、プローブデータ、ヒヤリハットデータに大別できる。また、自主研究または受託研究によって、これらの基礎データの出典も記載している。 図 2-1 当研究所が保有する基礎データの一覧 そして、これらのデータについての詳細説明は次の通りである。 (1)交通事故データの概要 交通事故データは豊田市事故マップの作成受託業務で使われている交通事故原票データである。当研究所は交通事故データを毎年更新しており、平成17年から26年までの交通事故データを蓄積している。その詳細は図 2-2に示す。 交通安全に係る主な先行研究の整理○豊田市における交通安全対策を検討することを念頭に入れて、豊田市を対象に、愛知県警から受領した交通事故データ、紙アンケートによるヒヤリハット、プローブデータなどを詳細に整理した上、新たな分析視点や手法を用いて、ビッグデータを解析年度省略事業名分析用データ主な内容平成24-30年度とよたの交通事故1)交通事故データ豊田市内の交通事故発生状況を整理平成24-25年度豊田市フィールド実験2)プローブデータ①増加する高齢ドライバーによる交通事故削減を目指して、車載注意喚起システム装置を開発し、その有効性を評価平成24-26年度交通事故予防対策地点3)ヒヤリハットデータ豊田市の全域を対象とした予防対策地点を抽出するためのデータを作成することを目的に、豊田市内の全小学4年生とその保護者を対象としたヒヤリハット調査を実施平成25-26年度ゾーン304)交通事故データ「土地利用」と「道路ネットワーク」を考慮したより適切なゾーン30導入箇所の選定方法を提案平成27-28年度助言型ISA5)プローブデータ②独自で開発した助言型ISAアプリを用いて、ドライバーの能動的な速度遵守意識醸成のための知見を得る目的で、インセンティブプログラムの有効性の検証を併せて実施注:1)(受託研究)「とよたの交通事故」作成委託2)(受託研究)高齢ドライバ運転行動調査および交差点事故防止支援装置の受容性調査検討の運営、データ収集・整理委託3)(受託研究)交通事故の予防対策地点抽出に向けた研究4)(自主研究)ゾーン30の選定方法に関する研究~土地利用と道路ネットワークを考慮した交通事故発生レベル予測モデルの検討を通じて~5)(自主研究)助言型ISAの長期効果の計測およびインセンティブプログラムの効果検証担当:川澄主担当:加藤主担当:加藤主担当:三村主担当:山崎
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