⾼齢運転者を対象とした後付け型ADASの多様な効果に関する研究
109/140

103(3)その他の考慮すべき事項 本研究により明らかとなった、その他の考慮すべき事項を以下に整理する。 • ⾼齢運転者の近親者が抱く⾼齢運転者が運転することに対する意識や、⾼齢運転者本⼈の運転や⾃動⾞の買い替えに対する意識は、都市類型により⼤きな違いはない ▶三⼤都市圏中⼼都市では公共交通の利便性が⽐較的⾼いと想像されるが、⾃動⾞の運転頻度が多い場合は、運転を控えたり、公共交通利⽤を優先したり、免許を返納したりする意識は、それ以外の地域と変わらない • ⾼齢運転者に対する後付けADAS利⽤等の助⾔を⾏う際は、⼦や配偶者、医師や看護師などからであれば受け⼊れられる割合が⾼い。ただし個⼈差があることに留意が必要である • 後付けADAS導⼊の際は、特に価格を重視する傾向にある。⾼齢運転者の63%が⽀払い意思額を3万円までと回答しており、⼀つの⽬安となる ▶過去に豊⽥市や⾹川県等でASVを新⾞で購⼊する⾼齢運転者に対して3万円を補助する制度があった。仮に後付けADASにも適⽤できる場合、補助額3万円と⾃⼰負担額3万円があれば、取り付け費込で6万円相当の後付けADASの使⽤が可能となる • その他の重視することとして、規格への適合、メーカーの知名度、⾏政機関による評価などが挙げられる。これは利⽤者の観点だけでなく、⾏政等による補助を⾏う観点からも、対象機種選定の⽬安にもなりうる ▶公益財団法⼈⽇本⾃動⾞輸送技術協会(JATA)が⾏う評価制度などの積極的な活⽤による性能や使⽤性の評価と結果の公表が期待される • 後付けADASが備えるべき機能としては、ドラレコ機能、進⼊禁⽌通知機能などの他、操作が煩雑ではないこと、⾃分で設置しなくても良いことなどが挙げられる

元のページ  ../index.html#109

このブックを見る