972)後付けADASを有⽤と思わない⼈の特徴 「後付けADASが有⽤であると思うか」は後付けADAS利⽤者には質問できるが、利⽤していない⾼齢運転者では把握できない。そこで代替となる指標を検討する。 実証実験のモニター、後付けADAS利⽤者、そして⾼齢運転者に対する意識調査では、回答者の運転特性を把握するため、運転スタイルチェックシート(DSQ)27)の質問項⽬を参考にして質問を⾏った。DSQでは18項⽬の質問を⾏っているが、今回の調査では回答者の負担や調査の効率性を考慮して10項⽬を抽出し、5段階評価で質問した。 10項⽬の質問と「後付けADASが有⽤であると思うか」の関係をみるため、相関分析を⾏った。その結果を表6-1に⽰す。相関係数が最も⼤きいのは「⾞線変更や交差点などでは、安全確認を慎重に⾏う」であった。図6-2に、両指標の関係のクロス集計結果を⽰す。 この分析結果を踏まえ、以降では「安全確認を慎重に⾏わない⼈」の特徴を分析する。 表6-1 「後付けADASを有⽤と思うか」と各質問項⽬間の相関係数 図6-2 「後付けADASを有⽤と思うか(横軸)」と「安全確認を慎重に⾏う(縦軸)」の関係 27 ⽯橋基範:⾃動⾞運転者の個⼈特性評価に基づく反応理解⼿法に関する研究、⾹川⼤学 博⼠論⽂, 2009.3. DSQから抽出した質問項目相関係数1.渋滞しているときの車線変更は苦手だ0.3312.割り込まれることをあまり気にせず、走行中は車間距離を十分にとる0.3823.徐行や一時停止などの運転操作を確実に行う0.3514.先の信号を見てかなり先から減速したり速めたりする0.4255.歩行者をひいてしまわないかいつも心配している0.3486.短い時間であっても、駐車禁止の場所に停めるのは避ける0.3357.車幅感覚には自信がある0.3058.裏道は利用せず、できるだけ信号のある整備された広い道を選ぶ0.2999.車線変更や交差点などでは、安全確認を慎重に行う0.51210.先の信号に引っかからないよう速度調整する0.36611.自分が自動車の事故を起こすことを気にしている0.35212.制限速度はいつも必ず守っている0.28746%15%3%1%10%15%49%10%11%3%23%26%74%39%10%15%10%13%41%38%0%0%1%8%38%0%20%40%60%80%100%まったく当てはまらない(13)あまり当てはまらない(39)どちらでもない(114)やや当てはまる(95)とても当てはまる(39)車線変更や交差点などでは、安全確認を慎重に行うまったく有用と思わないあまり有用と思わないどちらでもないやや有用と思うとても有用と思う
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